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DeepL、翻訳でGPT-4などを上回る言語特化LLMを実装

DeepLは、言語翻訳と文章校正に特化した大規模言語モデル(LLM)技術を搭載する「次世代言語モデル」を実装したと発表した。DeepL Proプランを契約するユーザーは、英語、日本語、ドイツ語、中国語簡体字の翻訳エンジンとしてこの次世代言語モデルを選択できる。

DeepLの「次世代言語モデル」は、特殊な調整を施した、言語に特化したLLMを活用。偽情報や誤情報のリスクを低減し、これまで以上の精度で文脈を捉え、より人間的な翻訳と文章作成を実現するという。

また、インターネット上に公開されている情報を学習する汎用AIモデルとは異なり、文章作成および翻訳のために特別にチューニングされた7年分以上の独自データを活用。品質重視の翻訳を実現するため、特別に訓練された数千人もの厳選された言語専門家によるモデルチュータリングを実施している。

この結果、次世代言語モデルは、DeepLの翻訳サービスを大幅に強化するものになった。DeepLがプロの翻訳者を対象に、オンラインで2024年7月に実施したブラインドテストでは、「Google 翻訳」よりも1.3倍、「ChatGPT-4」よりも1.7倍、「Microsoft 翻訳」よりも2.3倍、DeepLの翻訳出力が好ましいと回答されたという。

こうしたテストを総合すると、英語と日本語、中国語簡体字を組み合わせた翻訳において、次世代言語モデルが、従来モデルに比べ1.7倍の顕著な改善を示し、また英語とドイツ語の組み合わせでは1.4倍の改善を示したとしている。

DeepLでは、今回の次世代言語モデルの実装は、重要なマイルストーンである一方、多額の投資を行なう品質向上施策の一環に過ぎないとし、大量の文書を翻訳する企業の効率性と生産性を大きく改善し、事業価値のある作業に集中することを可能にするとしている。