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検索連動型生成AIは「著作権侵害の可能性」 新聞協会が声明

日本新聞協会は17日、検索連動型の生成AIサービスにおける報道コンテンツ利用について、「著作権侵害に該当する可能性が高い」とする声明を発表。許諾の取得と対価をサービス事業者に求めるとともに、政府に対し、著作権法の改正などの法整備を求めていく。

同協会では、GoogleやMicrosoftらが展開する検索連動型の生成AIサービスについて問題を指摘している。

著作権法の「軽微利用」規定(第47条の5)は、検索サービスが他人の著作物を許諾なしに利用する場合について、(1)検索対象の情報の所在提供(URLの表示など)等に付随した利用である、(2)検索目的に照らして必要な限度内で、かつ、軽微な範囲の利用にとどまっている、(3)著作権者の利益を不当に害していない――のすべての条件を満たすことを求めている。

しかし、検索連動型の生成AIサービスは、利用者が求める情報をネット上から探し出し、「転用・加工」したコンテンツを提供する。その結果、参照元の複数の記事の“本質的な特徴”を含んだ「軽微な利用」とは言えない長文の回答を生成・提供するケースが多いとする。

それゆえ、「検索の延長線上ではなく機能が全く異なる別のサービス」と同協会は指摘。「検索サービスは、ネット上のさまざまな著作物への『道案内』役として、軽微な範囲で他人の著作物の無許諾利用が認められてきた。しかし、検索連動型生成AIサービスは、『道案内』ではなく『種明かし』。多くのユーザーが生成された回答で満足し、参照元のウェブサイトを訪れない『ゼロクリックサーチ』が増え、報道機関に著しい不利益が生じる」と訴えている。

加えて、著作権の解釈に「曖昧な部分(グレーゾーン)」があり、「著作権法等の抜本的な見直しが必要」と指摘。政府に対し、著作権法など知的財産諸法の見直し・整備を早急に行なうよう求めていく。