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万博アプリの電子マネー「ミャクペ!」始動

2025年日本国際博覧会協会は、「2025年日本国際博覧会」(大阪・関西万博)向けに提供するアプリ「EXPO2025 デジタルウォレット」の新機能として、電子マネー、ポイント、独自NFTの3つの機能の提供を開始した。いずれも万博の会期前から利用できる形で、万博会場での全面キャッシュレス導入や、会場内外での電子マネーの利用を盛り上げていく。「EXPO2025 デジタルウォレット」はスマートフォン向けアプリで、ダウンロードは無料。

大阪・関西万博の開催期間は2025年4月13日~10月13日。原則として現金が使用できない「全面キャッシュレス」の導入が案内されており、会場内での買い物は、クレジットカードや交通系ICカードの電子マネー、QRコード決済など、約60ブランドのキャッシュレス決済が対応する。

「EXPO2025 デジタルウォレット」アプリは2023年10月から提供されている万博独自のアプリで、目玉と位置づける電子マネーサービスなど、金融関連機能が7月1日から開始された。現在までのダウンロード数は7.3万件としており、多くの来場者に使ってもらえるよう、さらなる普及・拡大を図っていく。

「EXPO2025 デジタルウォレット」アプリの金融関連機能では「つかう」「ためる」「あつめる」という3つのテーマが用意され、電子マネーの「ミャクペ!」、ポイントの「ミャクポ!」、独自NFTの「ミャクーン!」の提供がスタートした。

電子マネーを含む金融関連機能がスタートする
発表会には3つのサービスを担当する各社から担当者が登壇。左から、SBI ホールディングス 執行役員の藤本 守氏、りそな銀行 執行役員の川邉秀文氏、三井住友フィナンシャルグループ 専務執行役員の磯和啓雄氏

電子マネー「ミャクペ!」

電子マネーの「ミャクペ!」はSMBCグループが開発・提供する万博独自の電子マネー。会場内の決済端末やユーザーのスマートフォンでQRコードを読み取るタイプの決済では、「ミャクペ!」という独自の決済音も用意される。また会場内では顔認証による決済にも対応する。

「ミャクペ!」は「Visaのタッチ決済」「iD」に対応した店舗でも利用できるため、会場外・会期前でも、全国の230万台以上の決済端末ですでに利用可能。また、万博の会期終了から3カ月後の2026年1月13日まで利用できる。

「ミャクペ!」の残高のチャージは銀行口座やクレジットカードなどから入金する形で、ギフトコードにも対応予定。残高のチャージには「Bank Pay」(バンクペイ)を利用、バンクペイ側の対応拡大でカードや銀行が増えるとしている。

独自の特典も用意
会期前から会場外の店舗でも利用可能
万博会場内では顔認証に対応。写真は決済端末を店員側から見たところで、認証したユーザーの顔写真が表示されている
「ミャクペ!」は掲示されるQRコードをスマホで読み取るタイプにも対応

ポイントサービス「ミャクポ!」

万博独自のポイントサービス「ミャクポ!」は、りそな銀行が提供するポイントプログラム。別アプリとして提供されるが、「EXPO2025 デジタルウォレット」アプリと連動し一体的に運用される。

会期前から開催されるキャンペーンやリアルイベントへの参加などでポイントを貯められるほか、既存サービスのポイントから交換も可能。7月1日時点で、オンラインのポイント交換としてWESTERポイント(JR西日本)、Pontaポイント(KDDI)、大同生命のKENCO応援ポイントが対応すると発表された。またポイントをもらえるリアルイベントは岸和田市が協力、子供向けイベントを開催する。

貯まったポイントはオリジナルグッズや入場チケットと交換できるほか、会場内パビリオンでのサービス・体験と交換することもできるようになる予定。なお、万博の会期終了後に残っているポイントは失効するが、同額を寄付するなどの対応がとられる予定。

7月31日には、貯まった「ミャクポ!」を景品と交換できるリアル店舗がKITTE大阪内にオープンする。秋以降にはオンラインサイトもスタートする予定。

WESTERポイントやPontaポイントなどから交換も可能
リアルイベントでは岸和田市が協力
貯まった「ミャクポ!」のポイントで交換できる景品の一部

独自NFT「ミャクーン!」

万博オリジナルNFTサービス「ミャクーン!」はSBIホールディングスが提供するサービス。数量限定配布などの万博オリジナルNFTを集めてコレクションできるほか、風景や記念写真など好みの写真をアップロードするだけでオリジナルNFTを作れるサービスも用意される。

「ミャクーン!」は、NFTに初めて触れる人を含む、万博の記念品という位置づけで、転送・転売には対応しない。

なお、万博の会期終了後は、SBIグループのNFTサービスで情報を引き継ぎ、コレクションを見られるようにすることが検討されている。

記念品としてNFTを配布
写真をアップデートしてNFTにすることも可能

使うとステータスアップ

万博に参加したり、「ミャクペ!」や「ミャクポ!」を利用したりするとステータスがアップする「ミャクミャク リワードプログラム」も用意される。

ステータスに応じた特典を獲得でき、万博オリジナルNFTの獲得のほか、今後はパビリオンへの特別な入場、万博プロデューサーが会場を案内する独自イベントへの参加権など、オリジナル体験・サービスも企画されている。会場内で提供する特典などは10月に詳細が案内される。

ミャクミャク リワードプログラム
第2弾は10月に発表予定

ミャクミャクの新バージョン

デジタルウォレットのアプリやサービスに使用される「ミャクミャク」の新たなバージョンとして、「デジタルウォレットミャクミャク」のイラストが公開された。線画をベースに赤から青へのグラデーションカラーが採用されており、今後万博のデジタルウォレット関連の案内やバナーにはこちらのイラストが使用される。

「デジタルウォレットミャクミャク」のイラスト

このほかデジタルウォレットアプリですでに提供されている事業連携サービスもアップデートされ、7月1日以降順次「トークンディスカバリー機能」が提供される。ユーザーが関西を中心とした、万博を応援する地域の店舗や施設・イベントを訪れると、地域・コミュニティのバッジを獲得できるというもので、地域の周遊を促したりリピーターを創出したりするようなプログラムが提供される。

事業連携サービスにトークンディスカバリー機能
会場にはスペシャルサポーターのPSYCHIC FEVERも駆けつけ、顔認証決済などを体験した