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電源なしで9時間保冷できる「DNP多機能断熱ボックス」
2024年6月14日 12:53
大日本印刷(DNP)は、真空断熱材を用いて電源なしで保冷できる「DNP多機能断熱ボックス」の重量を、従来から約27%削減した軽量モデルを発売した。冷凍・冷蔵食品、チルド食肉類、医薬品、化学薬品類等の輸送を手掛ける、流通・小売り業を中心に販売する。
DNP多機能断熱ボックスは、電源を使わずに内部の温度を長時間一定に保ち、長距離の輸送ができる点が特徴。配送時のドライバーの負荷を軽減する。'17年から提供している製品で、今回重量を約27%削減した新モデルを開発。従来が10.4kgだったのに対し、新モデルは7.6kgとなった。
また、一般的な発泡断熱材を用いた製品と比べ、保冷剤の使用量を大幅に削減でき、4時間は保冷剤なしでの保冷維持が可能。保冷剤(2.4kg)を用いた場合は9時間保冷できる。
一般的な発泡断熱材を用いた断熱ボックスは、長時間の保冷状態の維持が難しく、気温の高い時期の配達ではドライアイス等の冷剤を増やして対応している。保冷剤の重量が増えると、運送車の最大積載量に早めに達してしまい、冷凍・冷蔵食品等の予定量が運べないという課題があった。
新たに発売するDNP多機能断熱ボックスは、保冷時間を一般的な発砲断熱材を用いたボックスより約2.2倍向上。同じ保冷剤の量(2.4kg)を使用した場合、一般的な発泡断熱材を用いたボックスの保冷時間は4時間だが、DNP多機能断熱ボックスでは9時間保冷できる。保冷効力は、外気温25℃、ボックス内の商品温度-18℃以下を維持することを想定。
同ボックスを使うことで、保冷剤削減による多くの荷物の搭載と配送の効率化につなげることが可能。また、配送先の流通・小売店でも、荷物を入れたまま電源なしで長時間保管でき、冷凍食品等が届いた際もすぐに取り出して仕分ける必要がない。流通・小売店の業務負荷の低減や、人手不足による課題の解消などにも貢献していくとする。
軽量化は、冷蔵庫用などで長年実績のあるフィルムと従来製品の設計技術を応用・発展させ、さらに真空断熱材を工夫することで実現。従来よりも軽くしたことで、荷物の積み込み・積み下ろし時のドライバーの負荷の軽減、配送の効率化、配送時のCO2削減などにつなげていく。
内寸は、65×39×44.5cm(幅×奥行き×高さ)。112Lまで搭載可能。中身を取り出して折りたたむと、73.5×22.5×51cm(同)にまで小さくできる。