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企業間決済でもクレジットカードが拡大 アメックス調査

アメリカン・エキスプレス(アメックス)は13日、企業間取引におけるキャッシュレス化の課題と現状把握を目的とした「企業間決済(B2B)のキャッシュレス化」の調査結果を発表した。調査によれば、B2Bでは支払側のクレジットカードが先行しており、課題としては「支払いサイクルや管理」「取引先ごとのプロセスに対応」などが挙げられている。

同調査は、飲食・卸業や農業・畜産、建築・建設、医療関連業など、幅広い業界から約1,000名を対象に実施した。

国内キャッシュレス決済比率は、主に個人消費者がけん引しており、2023年には過去最高となる39.3%を達成。一方、企業間決済では、780兆円の市場規模に対して、キャッシュレス取引額は約5兆円程度に留まっている。こうした中で、アメックスが力をいれている中小企業向けのビジネスカードの利用拡大に向けた課題把握などを目指し、大規模な調査を行なっている。

調査によれば、企業間取引における決済方法では、支払いでのクレジットカード利用が38.9%で、請求側(22.2%)の約2倍となっており、支払い利用が先行して浸透している。

企業間の支払いで使われているのは、銀行振込、口座振替、現金の順で、次いでクレジットカードとなる。カードの比率も高まっているが、まだ紙の約束手形や小切手も2割以上残っている。こうした要因は、「昔からこの方法だから」という商習慣に由来するものが大きいとする。

またカードによる企業間決済の課題は、請求型は「支払いサイクルや管理」(22.0%)、支払い時は「取引先ごとのプロセスに対応」(26.2%)など、取引先に合わせた管理業務が負担になっていることがわかった。

ただし、2022年と2024年の比較でもクレジットカードの導入は進んでおり、キャッシュレス化の流れは加速している。企業におけるキャッシュレス決済導入の動機としては、「インボイス制度」(21.1%)や「電子帳簿保存法の改定」(11.7%)など制度の改革も変化を後押しした。支払う側は、導入中と3年以内に導入検討を含める、52.2%がクレジットカードを含むキャッシュレス決済を選んでいる。

クレジットカード決済の利用意向では、企業間決済において利用を希望する声は6割以上。ただし、商習慣の壁はあり、「取引先が対応するのであればキャッシュレスに対応したい」(54%)という回答も多い。そのため、社会全体におけるキャッシュレス化が求められているとする。

また、企業の法人カード利用も進んでいるが、最も大きなメリットは「業務の効率化」(36.2%)と回答。経理事務や経費の合理化、銀行振込手数料や手間の削減、従業員の立て替えの削減などが支持されているとする。

アメックスでは、法人カードにより経理業務の効率化や資金繰りの安定、与信枠の確保などからビジネス上のメリットが期待されると説明。新規顧客獲得にも役立つとし、加盟店ビジネスの成長サポートをしていくとした。