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サウナでの事故に注意 心臓発作の事例も

消費者庁は、サウナ浴に関する事故が増加傾向にあることから、体調に合わせて無理せず安全に利用するよう呼び掛けている。

サウナ浴は近年、マンガやドラマ、メディアで取り上げられたことがきっかけで、健康効果のみならず、爽快感やリラックス効果などが注目されている。また、入浴施設だけでなく、スポーツ施設等でも設置されるようになり、様々なタイプのサウナを設けるなどの工夫がなされている施設もある。

幅広い人がサウナを利用するようになってきているなか、消費者庁にはサウナ室内でやけどや打撲をするなどの事故情報が複数寄せられているという。事故情報データバンクには、これまでサウナ浴に関する事故情報が78件登録され、受傷者数は82人。'14年度から'21年度までは平均して4件程度だったが、'22年度以降はそれぞれ10件と増加している。

受傷内容は「やけど」31件、「切り傷・擦り傷等」24件、「骨折・打撲」14件の順に多く、受傷内容が不明な2人を除くと、これらの合計が全体の86.3%を占めている。傷病の程度は不明を除くと「1~2週間」が18人と最も多く、次いで「治療1週間未満」が14人、「1カ月以上」が13人となっている。

受傷者の年齢は「40~59歳」が28人、「60~79歳」が25人で、年齢が不明な11人を除くと、40~79歳が全体の74.6%。しかも40歳未満の受傷内容は「やけど」や「切り傷・擦り傷等」といった外傷がほとんどであるのに対し、40歳以上は「めまい・意識障害」や「循環器障害」なども含まれている。

具体的には以下のような事故事例がある。

  • サウナを利用中、熱いと思ったものの10分間ヨガのポーズをとり続け、臀部にやけどを負った。
  • 温泉施設内の貸切りサウナを利用中、椅子から立ち上がった際に壁面にむき出ていた裸・電球が背中に当たってやけどをし、治療が必要となった。
  • 個室サウナを利用中、床の段差で足を滑らせ転倒し、右肘を打撲した。
  • スポーツクラブのサウナを利用中、心臓発作を起こし3日間入院。医師からサウナ等は利用しないよう言われた。以前、心筋梗塞を起こしたことがあった。

注意するポイントとして、入浴上の注意事項の確認と正しい利用、温度に体を慣らすこと、自身の体調等を踏まえた無理のない利用を挙げている。また、やけどや、サウナ室への出入りでの急な行動に注意するほか、サウナ室内で体調に異変を感じるなどした場合は、すぐに周囲の人や施設の従業員に知らせるよう呼び掛けている。