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割り箸、ペットボトル、コーヒーかす……進むオフィス家具の素材変革 「オルガテック東京」

資源の再利用にフォーカスしたメーカー横断の展示エリア「CIRCULAR MIRAI」

ドイツ発の国際的なオフィス家具の展示会を東京で開催する「オルガテック東京2024」が5月29日に開幕、31日まで催される。場所は東京ビッグサイトの東展示棟4・5・6ホール。日本では3回目の開催となり、初出展78社を含む最多163社が参加している。

オルガテック東京2024では、資源の再利用にフォーカスしたメーカー横断の展示エリア「CIRCULAR MIRAI」が設けられている。オフィス家具には大量生産・大量廃棄の歴史があり、このサイクルを断つことが課題となっている。特に生産時の原材料の選定は課題が多いものの、この展示では廃棄されたオフィス家具から再び原材料を生み出すという再資源化にフォーカスして、各社の最新の取り組みが紹介されている。

オフィス家具におけるサーキュラーエコノミーについて
オカムラ「Potam」。各部にリサイクル素材が使用されている
オカムラ「Up-Ring」。バイオマスポリエチレンが原料で、3Dプリンターで作られる
井上企画「TSUYU」。広葉樹の端材とプラスチックの複合素材が原料で、3Dプリンターで作られる
イトーキ「リフェルト」。フェルト状のポリエステル繊維を3次元プレス成型している
フェルト部分は使用済みペットボトルから作る繊維を50%含む
イトーキ「コーヒーかす アップサイクルテーブル」
ドリップ後のコーヒー粉にヒノキチップを混ぜテーブル天板にアップサイクル
コクヨ「割り箸を再利用した家具」
都市部で回収できる割り箸は素材としてもボリュームが大きい
コースター
コクヨ「破棄する紙を再利用した布の研究」。どうしても発生する紙の端材を、家具の布に利用できるかどうかを研究
プラス「ヴィチェンダシリーズ」。国産材活用「MOKURAL」第1弾で、放置針葉樹を芯材へ活用する
センダンは成長サイクルが短く森林循環も促進させる
オフィス・デコ「obi:s」。着物の帯を再利用したイス

リサイクル素材の進展

チヨダウーテ「チヨダサーキュラーせっこうボード」は、原材料として、廃石膏ボードから作られるリサイクル石膏を100%使用する
アイカ工業の廃材を活用したメラミン化粧板
モリリン「ボトリウム」は回収ペットボトルから作られる。薬剤洗浄をしないなど工程にもこだわる
古着や残反生地を分解などの科学的工程で再生させたポリエステル「RENU」
ドリックス「フェルメノン」。リサイクルペット50%以上のポリエステル繊維を板状に加工した吸音材
大地農園「Icon タイサンボク」。壁面アートとして使える、本物の植物を加工したブリザードフラワー。生花のようなメンテは不要。不要になり回収したものや端材は堆肥化して再利用される
sangetsu「メグリウォール」。廃棄されることが多い樹脂や籾殻、ヒノキの端材を細かく砕き表面材として利用した壁紙

各社のブースでも取り組みを紹介

オカムラのブースの中では、近年の製品に使用されているさまざまなエコ素材が紹介されている
素材メーカーの東リも自社のブースでさまざまな再利用の取り組みを紹介している
業務用・店舗用の家具メーカー「アダル」は、展示ブース自体がエコ設計。展示会終了後は家具の素材として再利用される
ブースの78%がリユースされる予定