ニュース

大阪万博は手ぶらで買い物 「ミャクペ!」でNECの顔認証決済

NECは、2025年開催の大阪・関西万博における入場と店舗決済に顔認証システムを導入する。これにより、チケットの使い回しによるなりすまし防止と、会場内での手ぶら決済を実現する。

大阪・関西万博では、未来社会の実験場として、会場内を全面キャッシュレスとすることを掲げており、基本的に現金を使用することはできない。会場内では、既存のクレジットカードやQRコードを使って決済が行なえるほか、独自の電子マネー「ミャクペ!」を導入。ミャクペ!では、顔認証システムを決済に使う事で、両手が塞がっていても決済できる環境を実現する。

ミャクペ!は、銀行口座やクレジットカード等から残高をチャージして利用。スマートフォンのApple PayやGoogle ウォレットに設定して、非接触のVisaのタッチ決済、iDに対応する店舗でも利用できる。

会場内では、決済端末「stera terminal」に搭載されたQRコード読み取り用のカメラを使い、NECの顔認証システムによって決済が可能。顔認証決済を利用するには、あらかじめミャクペ!の登録サイトから自分の顔画像を登録しておく必要がある。

決済時には、利用者側の液晶画面に「ミャクミャク」が登場し、ミャクミャクがカメラの位置を指で差して教えてくれる。また、決済時には「ミャクペ!」という決済音も実装される予定。

「stera terminal」は、会場内の店舗すべてに設置される予定で、そのすべてでミャクペ!の顔認証決済が利用可能。ただし、キッチンカーなど固定インフラが利用出来ない店舗の場合は、設置されない可能性がある。

顔認証でフリーパスチケットの不正利用防止

また、NECの顔認証システムは、会場への入場時にも活用。通期パスや夏パスなど、フリーパス利用者のチケット使い回しを防止するため、万博会場入口にある51カ所の入場ゲートに顔認証システムを導入。入場時にのみチケットのQRコードと、顔認証を同時に行なうことで不正利用を防ぐ。これにより会場内のパビリオン利用時等にはQRコードのみで入場可能とし、各パビリオンで顔認証用カメラを設置するコストも低減する。

なお、通期パスや夏パス購入者は、チケット購入時に顔登録を行なうと、ミャクペ!での顔認証決済にも利用できる。

会場内で利用されるNECの顔認証システムは、国内最大級となる120万IDに対応。QRコードを読み込んだ後に顔認証を行なうフローとすることで、膨大な画像データから1人の画像を検索するのではなく、QRコードに紐付けられた顔画像を呼び出すことで素早い認証を可能にする。