ニュース
JR西、京阪神で値上げと値下げ 国鉄時代の都市圏域との不一致解消
2024年5月15日 19:50
JR西日本は、京阪神都市圏における運賃体系を見直す。大阪環状線内は値上げ、一部区間では値下げとなる。改定は2025年4月1日。
京阪神都市圏の運賃体系は、国鉄から継承したまま消費税改定を除いて見直されておらず、都市圏域の拡大に伴う輸送サービスや利用状況と運賃水準との不一致が課題となっていた。
今回、会社発足後の輸送改善等による利用状況の変化を踏まえ、京阪神都市圏内で同じレベルの輸送サービスを提供しているエリアにおいて運賃体系を統合し、平準化を図る。これにより、シンプルで分かりやすい運賃体系とするとともに、バリアフリー整備加速等のサービス向上に取り組む。
対象となる区間は、「大阪附近の電車特定区間」とされているエリア周辺。新たに京阪神都市圏を適用エリアとする共通の運賃水準を設定する。結果として、運賃が値上げとなる区間、値下げとなる区間が発生する。
現行の電車特定区間は、大阪環状線内とその周辺で区別していたが、「大阪環状線内」の区分を廃止。あわせて電車特定区間の拡大を行なう。
普通旅客運賃は適用区間において、現行の大阪環状線内、電車特定区間および幹線(拡大区間)に適用している運賃水準を統合。大人片道普通旅客運賃に適用する賃率を、営業キロ1kmにつき15.50円に平準化する。現行では、大阪環状線内が13.25円、電車特定区間が15.30円、幹線(拡大区間)が16.20円。この賃率を用いて、旅客営業規則に定める計算方法により、キロ地帯別の大人片道普通旅客運賃を算出している。
電車特定区間での普通旅客運賃は、1~3kmが140円、4~6kmが170円、7~10kmが190円となる。現行の1~3kmは、大阪環状線内および電車特定区間が130円、幹線(拡大区間)が150円。
また、新たに電車特定区間に拡大する区間について、届出により鉄道駅バリアフリー料金(10円)を設定する予定。上記の改定後運賃において、大阪環状線内および電車特定区間はバリアフリー料金を含むが、幹線(拡大区間)は含まれていない。
定期旅客運賃についても、現行の大阪環状線内、電車特定区間および幹線(拡大区間)に適用している運賃を統合し、現行の電車特定区間の運賃から1.3%改定した額に平準化する。
なお、運賃収入は全体としては増収とならない想定のもと設定している。