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鳥貴族、“ハイエンド焼鳥”を展開 福岡・大阪の焼鳥店と協業
2024年5月15日 18:45
鳥貴族ややきとり大吉を展開するエターナルホスピタリティグループは、福岡・博多を中心に「焼き鳥の八兵衛」などを展開するhachibei crew(ハチベイ クルー)、および'19年より6年連続でミシュラン一つ星を獲得している「焼鳥 市松」を運営するAOの2社と、協業に向けた基本合意書を締結した。
エターナルホスピタリティグループの中核ブランド「焼鳥屋 鳥貴族」にミドルレンジ・ハイエンド焼鳥業態を加え、焼き鳥を事業の軸とした複数のブランドでの事業拡大、海外展開を目指す。客単価の目安としては、鳥貴族は現在2,200円前後となっており、ミドルレンジは5,000円前後、ハイエンドはコース1万円強でドリンク含めて2万円前後を想定している。
八兵衛との協業では国内外でミドルレンジの店舗を、市松との協業では海外でハイエンドの店舗を出店する。現状では、国内でのハイエンド店舗は市松の希望もあり展開せず、また八兵衛との連携でミドルに加えてハイエンドの店舗を展開するという計画もない。
協業の狙いは、海外事業拡大による企業の成長、および日本の焼鳥文化、価値を世界に広げていくこと。5月1日より社名を「株式会社鳥貴族ホールディングス」から「株式会社エターナルホスピタリティグループ」へ変更したが、エターナルホスピタリティグループ 代表取締役社長CEO 大倉忠司氏によれば「海外への出店にあたって海外で通用する社名にしたいいうのが一番の理由。世界の外食市場へ挑戦していくという意思を込めている」という。
エターナルホスピタリティグループとしての海外展開については、'23年に米国進出に向けて現地子会社「TORIKIZOKU USA」を設立。ロサンゼルスに所在する'08年に開業した焼鳥店「HASU」を事業譲受し、'24年5月1日より「HASU」の運営を開始した。そのほか、台湾進出に向けて大成長城グループと合弁契約を締結、香港進出に向けて四洲グループとフランチャイズ契約を締結、韓国進出に向けて現地子会社の設立を決議した。
八兵衛との協業で海外100店舗
焼とりの八兵衛は豚バラ等の串焼き全般を指す「博多の焼とり」を提供する専門店。日本国内では福岡・博多を中心に店舗展開、海外ではハワイ、フィリピン、ベトナムに展開している。
大倉氏と、hachibei crew 代表取締役 八島且典氏の出会いは約15年前、八兵衛が東京進出として六本木に出店した後、話題になっていることから大倉氏が足を運んだ。その際に八島氏が大倉氏に声をかけたことをきっかけに交流がスタートし、大倉氏は視察も兼ねて福岡の店舗にも足を運んでいる。
博多の焼とりとは八島氏によれば「豚でも牛でもシューマイでも串に刺せば焼鳥」という自由度の高い焼鳥のこと。八兵衛ではえんどう豆をマッシュして揚げた串揚げも提供している。海外でも鶏肉以外に、豚バラ串、すき焼き串なども人気が高いという。
協業で展開する店舗のブランドは国内外ともに「焼とりの八兵衛」を予定。国内展開には、大倉氏の「八兵衛は博多だけではもったいない。全国の主要都市に広げていく価値があり、可能性を持っている」との思いもある。
海外展開の目標は5年で100店舗以上。北米やアジアを中心に海外出店の強化を進める。また、hachibei crewは海外進出のノウハウを持っており、「大失敗した経験もある」(八島氏)ことから、鳥貴族ブランドの海外進出のアドバイスを受けるなどの協力も行なう。
業務提携の検討内容は、国内外チェーン展開強化に向けた人的な交流やエターナルホスピタリティグループによるフランチャイズ展開等の協業、および採用強化・人材確保に関する企画・実行の協業。また、焼とりの八兵衛の運営に関する技術・ノウハウの共有や習得を行なう。
hachibei crewとは資本提携に向けた協議を進めており、エターナルホスピタリティグループがhachibei crewへ資本参加する計画となっている。
焼とりの八兵衛 六本木店はカウンター席、テーブル席、個室を備えた店舗。カウンター席の目の前のショーケースに焼く前の串が並べられており、これも博多スタイルだという。