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まだ成長するUber Eats カギはファミリーと“料理以外”
2024年5月9日 17:55
Uber Eatsはコロナ禍の後も成長しており、ファミリー層にも受け入れられ始めている――新CMの発表会に登壇したUber Eats Japan代表の中川晋太郎氏は、同社のビジネスが「今も」成長している様子を解説した。
デリバリーサービスは忙しい一人暮らしの人が利用するというイメージが先行しているが、Uber Eatsでは、ファミリー層にも使ってもらいたいという想いから、中尾明慶、仲里依紗の夫妻を起用したCM第1弾を4月15日から放映し、キャンペーンを展開している。CMの第2弾は5月9日に公開されている。
ファミリー層に訴求 デリバリーは「究極の子育て支援」
Uber Eatsは、コロナ禍を経ても「堅調にビジネスを進めている」(中川氏)とのことで、2024年1~3月期の売上は、2023年比で10%を超える成長を達成した。
中川氏は、コロナ禍で飲食店やユーザーの新たな選択肢として受け入れられただけでなく、コロナ禍が終わった後も利用が定着しビジネスが成長できていることを「嬉しく思っている」と素直に振り返っている。
コロナ禍の後にも成長できている理由については、3つの要因を挙げている。ひとつは、新規ユーザーの増加、なかでもファミリー層の増加が顕著という点。4月からのCMシリーズでファミリー層での利用を訴えるキャンペーンを開始して以来、ファミリー層での利用意向は前年同期比で約25%も増加したという。
「Uber Eatsが価値を発揮するのは、(病気などで)外出できない時だけでなく、仕事で忙しい時や、家事や子育てで手が離せない時。ある意味で、究極の子育て支援ツールとして活躍できる」(中川氏)。
ふたつめの成長要因は、アプリ上では「食品・雑貨」に分類されている、調理された料理以外の配達事業が拡大していること。食品、日用品、雑貨、医薬品などを配達するもので、スーパー、コンビニ、ドラッグストアなどがアプリ上に出店している。
この「食品・雑貨」の配達事業は、2023年通年で、前年比80%増と大幅な成長を遂げている。外出できないがすぐに欲しい、という商品の配達ニーズは料理以外にも多いとし、日常生活の中で活用されているという。
みっつめの成長要因は、システム改善への投資。加盟店やユーザー側など広範に渡るシステムやアプリ、プラットフォームについて地道に改善してきた点を挙げている。
「人手不足の店舗を支援する新機能」を予告
中川氏からは、今後の展開についても解説された。料理の配達について、すでに一部でロボットデリバリーに取り組んでいるが、将来的には、配達パートナーが少ない、あるいは全くいない過疎地についても、ロボットデリバリーでカバーしていくことを検討している。
「食品・雑貨」カテゴリーの配達も機能が拡充される。今夏には「新機能」を提供予定で、これは店舗での人手不足を、Uber Eatsの配達パートナーが補うサービスになるという。詳細は改めて案内される。
BtoBの「Uber Direct」についても強化していく。3月から処方薬の配送を開始しているが、2024年中に、新たなカテゴリーのパートナーを発表予定としている。
パートナー企業は、固定費をかけることなく、全国10万人のUber Eatsの配達パートナーを介して、あらゆるものをオンデマンドで配達できるようになるとしている。
さらに、配車・配達のどちらのサービスにも対応するサブスクリプションサービス「Uber One」についてもサービスを拡充する予定で、2024年中に新規サービスを開始予定としている。
Uber Eatsは「Get Anything. 『何でも手に入る』アプリへ」をキャッチコピーに、料理の配達だけでなく、食品・雑貨、医薬品に加え、化粧品、家電製品なども平均30分で届けるサービスになっている。中川氏は「これまであまりUber Eatsを使ったことがないユーザーにも使っていただきたい」と、料理の配達だけではないサービスのポイントを訴えた。