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みなとみらい「横浜シンフォステージ」竣工 ヤマハ体験型ショップや商業

みなとみらい21中央地区で開発が進められていた複合施設「横浜シンフォステージ(YOKOHAMA SYMPHOSTAGE)」が3月31日に竣工した。商業やオープンイノベーションオフィス、ヤマハの体験型「ブランドショップ」、ホテルが、5月9日より順次開業する。

大林組、京浜急行電鉄、日鉄興和不動産、ヤマハ、みなとみらい53EAST合同会社の5社共同の、みなとみらい21中央地区53街区開発事業。ウエストタワー、イーストタワーの2棟からなり、敷地面積は20,620.58m2、総延床面積は18万2,937.7m2。階数・高さはウエストタワーが地上30階、塔屋2階、地下1階・約158m、イーストタワーが地上16階、塔屋1階、地下1階・約90m。

所在地は横浜市西区みなとみらい5丁目1番2号、アクセスはみなとみらい線 新高島駅徒歩1分、JR・京急等 横浜駅徒歩8分。みなとみらい21中央地区における都市軸の結節点に立地し、横浜駅方面からのペデストリアンデッキを街区内に開通して、みなとみらい駅方面への歩行者ネットワークを形成した。これにより、エリアの回遊性向上、エリア活性化に貢献するとしている。

ウエストタワーの主な用途は基準階専有面積約3,360m2のオフィスで、高層部に「京急EXホテル みなとみらい横浜」、低層部にヤマハの体験型「ブランドショップ」や店舗を整備する。イーストタワーの主な用途は様々な企業が本社や研究開発拠点として利用することを想定したオフィスで、基準階専有面積約2,820m2。低層部にはオープンイノベーションスペースや店舗を備える。

開業日は、低層部商業ゾーンとオープンイノベーションオフィスが5月9日、ヤマハ体験型 ブランドショップが6月初旬、ホテルが6月24日。

ヤマハ体験型 ブランドショップはウエストタワー1~3階の3フロア。楽器経験の有無にかかわらず、音楽や楽器に関する新たな楽しみを発見できる体験の場を提供する。

総床面積は約2,600m2で、幅広い層の人が気軽に来店できるよう、吹き抜けによる開放的なデザインを採用する。また、合計6カ所の入り口を設置するなど移動しやすいシームレスな設計としている。

1階には大型ビジョンを備えたブランドの体験エリアと、ヤマハとベーゼンドルファーのピアノショールームを設置。2階では楽器に触れて試せる体験型の楽器売場と横浜エリア最大級の品揃えという楽譜・書籍売場、3階では大人向けの音楽教室を展開する。そのほか、2階にはライブができるイベントスペースを備えたカフェを開設する。

ヤマハ体験型 ブランドショップ

ウエストタワーとイーストタワーの低層部に設置する商業ゾーンには15店舗が出店。うち10店舗が5月9日にオープンする。

飲食店は地元横浜の企業を中心とした4店舗で、モーニング、ランチ、ディナーと様々なシーンに対応。サービス・物販は、クリニック、ドラッグストア、コンビニエンスストアや、ヤマハ発動機が運営する体験型ショールーム「Yamaha E-Ride Base」などが出店する。Yamaha E-Ride Baseではeバイクの乗車体験ができる。開業は6月予定。

Yamaha E-Ride Base

京急EXホテル みなとみらい横浜はウエストタワー26~30階で、客室数は150室。地上約130mに位置する26階にホテルロビーを設置する。客室は「ダブル」「ツイン」「ユニバーサル」のほか、最大4名まで利用可能な2段ベッドのある「フォース」を導入。客室すべて、みなとみらいの景色を望めるつくりとなっている。

京急 EXホテルブランドでは初となる大浴場・露天風呂を設置。天気の良い日は富士山を望める。そのほか、26階に創作和食のオールデイダイニング「高ようじ」をオープンする。

京急EXホテル みなとみらい横浜

オープンイノベーションオフィス「chilink WORKSITE MINATOMIRAI(チリンク ワークサイト みなとみらい)」はイーストタワー3階。ソーシャルコワーキング事業を全国で展開するATOMica(アトミカ)が施設の運営パートナーとして参画する。サービスラインナップはコワーキング、シェアオフィス、貸会議室、セミナー・イベント、カフェスペース。

コワーキング
シェアオフィス

街区内には、コモンスペースとして5カ所に各種プラザ(広場)を配置する。具体的には、1階に芝生広場「ゲートプラザ」、エントランス前空間「コーナープラザ」、周辺街区や店舗と連携する「キングプラザ」、2階に大屋根装備の「グランモールプラザ」、3階に階下のストリートを見渡せる「スカイプラザ」がある。各プラザは各種イベントでの利用も想定している。

配置図
ゲートプラザ
キングプラザ
グランモールプラザ
スカイプラザ

ウエストタワー2階のアトリウムには建設時の作業音などの音源をもとに制作されたパブリックアート、コモンスペースには大林組の建設用3Dプリンター技術と環境配慮技術で造られた、鯨の動きをモチーフにした流線型が特徴的なベンチを設置する。

パブリックアートは田島美加氏による「ネガティブ・エントロピー」シリーズで、機械作業音や人間の声などをデジタルデータに変換し、そのデータをパターン化してジャガード織へと変容させるアート作品。産業革命期初期に考案されたジャガード織を用い、人間を「糸」、キャンバスに張られた織地全体を「社会」のメタファーとして表現し、音によって人間と社会の関係性を視覚化しているという。

(c)Mika Tajima Courtesy of TARO NASU

ベンチは横浜の海の美を、新たな「Yokohama Ocean Scape」として再構築し、ゲートプラザに組み込んだとしている。都市のダイナミズム、美しい流線型、人を優しく包み込むような座り心地を実現するべく白鯨の動きを手掛かりにデザイン。廃棄予定の貝殻を主原料とした塗料や、足元の舗装部にはノンセメント仕様の低CO2マテリアルを使用するなど、最新の環境配慮技術も組み込まれている。