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“東京”で唯一無二の星空 神津島の魅力発信でNTT東やテレ朝、ANA Pocketなど連携

東京都 神津島村は、「東京宝島 サステナブル・アイランド創造事業」において、NTT東日本 東京西支店、ANA NEO、ANA X、テレビ朝日と連携し、「サステナブル観光ループ・神津島モデル」を提唱。観光分野で新たな取組を開始する。

観光客の拡大を目指し、NTT東日本が全体コーディネートを担い、ANA NEOとANA X、テレビ朝日が協力。日本で2番目の星空保護区であり、日本初の「ダークスカイ・アイランド認定」を受けた神津島の魅力を発信していく。

具体的には、ANA NEOのバーチャル旅行プラットフォーム「ANA GranWhale」を活用し、神津島の秋・冬のベストスポット4カ所をバーチャル上に再現する。1つ目は、神津島の玄関口の一つ「神津島空港」。2つ目は、島の中央にそびえ自然が豊かで神話の舞台でもある「天上山」、3つ目は、夕陽が美しくトロッコの跡が今もなお残る「名組湾」、4つ目は、天然のプラネタリウム「ありま展望台」となる。「東京都にこんなに美しい自然や星空がある」と知ってもらいたいとする。

ANA GranWhale

移動でポイントが貯められるアプリ「ANA Pocket」では、「神津島村観光アプリ」を追加・アプリの主な機能としては、宿泊、島外・島内の交通情報を集約し、Digital MAPを用いて島内の観光スポットや飲食店等を一目で分かるようにし、島内の観光スポットへのチェックイン機能により来訪者が楽しみながら島内を回遊したりできる施策を実施する。

「ANA Pocket」に「神津島村観光アプリ」

また、位置情報を活用し、ユーザーの移動に合わせた神津島観光アプリの認知施策も行なう。これにより、神津島を訪れる旅行客の再訪など関係人口の創出、旅行者や島民が移動を楽しめるようにする。

テレビ朝日では、「星空ツナガルコミュニティ」を実施。デジタル上のコミュニティへの参加のほか、リアルイベントも開催し、星空関連の事業者や観光に興味がある人たちを集めた企画を実施していく。また、会員NFTやイベント記念NFT、星空NFT販売など新しい収益に検証にも取り組む。

神津島を「知ってもらう」

神津島は、飛行機では東京の調布飛行場から約45分、船では竹芝桟橋から高速ジェット船で約3時間45分、大型夜行客船で約12時間、熱海からは高速ジェット船で約1時間55分でアクセスできる。離島としては、東京都内からのアクセスもいい場所といえる。

神津島村の前田 弘村長は、光害のない星空で「ダークスカイ・アイランド認定」を受けていることや海、空、自然、そして東京都からのアクセス時間の短さなどに言及しながら、神津島の魅力をアピール。「来てもらえば、知ってもらえば、わかる魅力がある。そこには自信がある」と語る。

神津島村の前田 弘村長

一方、課題もその「知ってもらえば」の部分にあるという。つまり神津島が「知られてない」ということだ。そのため、従来から関係のあるNTT東日本と協力し、観光を起点に神津島を盛り上げる施策として今回の取組を紹介した。

前田村長は、「かつては、昭和40年代の離島ブームなどで観光でも注目されていた。しかし、格安海外旅行などの影響で廃れていってしまった。来てもらえばわかってもらえると思うので、その道筋をつけていきたい。ただ、行政分野だけではどうしても難しい部分がある。だからパートナーとともに様々な取り組みを展開したい」と語った。

NTT東日本では、日本には400の離島があり、神津島と同様の課題を持っていると説明。「神津島モデル」をきっかけに離島向けのソリューション展開していくとした。

神津島への年間観光は、2023年は約4.5万人。コロナ禍以前は約5万程度で、昭和40年の離島ブーム時は約10万人で、「ほぼ夏だけで10万人」だったという。この観光客数を6万、7万と増やしていく。インバウンド客は現状多くないが、ANA GranWhaleは英語、中国語に対応している。ただし、今回の施策では主に国内からの観光客拡大を見込んでいるという。