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キリンビール、17年ぶりの新ブランド「晴れ風」

キリンビールは、17年ぶりとなるスタンダードビールの新ブランド「キリンビール 晴れ風」を4月2日に発売する。350ml缶、500ml缶をラインアップし、価格はオープン。

晴れ風の味わいの特徴は、「ビールとしてのうまみや飲みごたえ」と「飲みやすさ」の両立。現代の消費者の嗜好をとらえたとしている。

味わいを実現している要素は「麦芽100%」「日本産の希少ホップ『IBUKI』」「酸味の抑制」の3点。雑味のないきれいな味わいに仕上げるため、副原料を使用せず、麦芽100%で麦のうまみを丁寧に引き出したという。IBUKIは爽やかな柑橘香が特徴。添加タイミングも工夫し、ホップの香りが穏やかに香る設計とした。

現代の嗜好に向けては、ビールの飲みづらさにつながる過度な酸味を抑えるため、仕込工程と発酵工程において工夫し、まろやかな味わい・スムースな口当たりを実現したとしている。

キリンビール 代表取締役社長 堀口英樹氏によれば、新しい価値観のビールを届けたいという思いから、これからの時代を担う5年目の社員を担当として抜擢した。

キリンビール 代表取締役社長 堀口英樹氏

担当したキリンビール マーケティング部商品開発研究所中味開発グループ 東橋鴻介氏は「ビールは酸味や苦みが大事な要素だが、あえて酸味や苦みを抑え、飲みやすさに振り切った」と説明した。

キリンビール マスターブリュワー 田山智広氏は、飲みごたえと飲みやすさの両立は難しいとしつつ、それを実現した晴れ風については「バランスを大事にして、あまりビールを主張しないビール」と説明。「味の個性を楽しむビールがたくさんある一方で、食事と一緒に楽しむシーンも増えている。晴れ風は究極の食中酒ともいえる」とし、「自己主張しすぎない晴れ風の特徴から、日本食の繊細な味にも合う」と話した。

開発について説明する田山智広氏(左)と東橋鴻介氏(右)

パッケージは、聖獣麒麟と独自のブルーのカラーリングにより、品質感と現代性を体現したデザインを採用している。

晴れ風の味わい以外の特徴として、「晴れ風ACTION」という取り組みがある。これは、花見や花火といった、昔からビールを楽しむシーンでもある日本の風物詩を守る活動に、晴れ風の売上の一部を寄付するもの。350ml・1缶につき0.5円、500ml・1缶につき0.8円が自動的に寄付される。

パッケージ裏面には、晴れ風ACTIONの専用サイトへのQRコードが印刷されており、サイトにアクセスすると、1日1回0.5円分の「晴れ風コイン」が付与され、応援したい自治体を選んで寄付できる。

パッケージ裏面のQRコード
参加方法
桜の保全活動 対象自治体(43自治体)

キリンビール 副社長執行役員 山形光晴氏によれば、寄付の対象としている桜は、少子高齢化や自治体の資金不足の影響もあり維持ができなくなり、失われつつあるという。そこで晴れ風ACTIONでは、桜の植樹や保全活動に向けた寄付を行なう。第1弾で桜、第2弾で花火を予定しており、その後も継続的な活動として取り組む。

晴れ風ACTIONについて説明する山形光晴氏

晴れ風発売の背景には、2023年10月の酒税改正の影響もありビールカテゴリーは好調に推移していること、コロナ禍を経てライフスタイルや価値観、行動基準が変化していることなどがある。

堀口氏は、1990年に誕生し、キリンの代表的なビールとして愛飲されている「一番搾り」とともに、晴れ風を第2の柱に成長させたいと説明。初年度の販売目標は約430万ケース、将来的には一番搾りの半分かそれ以上を目指していきたいとの思いを語った。

晴れ風のアルコール分は5%、純アルコール量は350ml缶が14g、500ml缶が20g。

発表会では、晴れ風のCMに出演する内村光良さん、天海祐希さん、今田美桜さん、目黒蓮さんが登壇。晴れ風の感想について、内村さんは「本当に晴れやかな風のように体の中を駆け抜けていき、気持ちいい」、天海さんは「ちゃんとビールですっていう主張があるけれどもキレ味がある」、今田さんは「爽やかな感じだけどビールのキレとコクがグッと来る」、目黒さんは「本当においしくて、早く発売されて皆さんとこのおいしさを共有したい」と話した。

乾杯をして晴れ風を飲むゲストの4人
左から今田美桜さん、内村光良さん、堀口英樹氏、山形光晴氏、天海祐希さん、目黒蓮さん