ファミマ、コカコーラのトラックで商品配送 「物流2024問題」で協業

ファミリーマートとコカ・コーラ ボトラーズジャパンは、神奈川県海老名市・厚木市を中心としたエリアにおける配送で、コカ・コーラの店舗配送トラックを共同活用するスキームを構築し、2月上旬から物流面での協業を開始した。

コカ・コーラの店舗配送トラックが時間帯によって稼働していないときに、ファミリーマート店舗への常温商品配送に使用することで、同一車両を2社で有効活用する取り組み。

ファミリーマートでは、ペットボトル飲料や菓子、加工食品などの商品を、各地域の配送センターから週6回、店舗に配送している。しかし、イベントや天候、大型商品の発注の影響などにより、通常の配送コースでは一度に配送できない商品量が不定期に発生する場合があるという。そうした場合は、臨時便として別途車両を手配し、過剰分を配送しているが、今後は「物流2024年問題」の問題で、車両の確保が困難になることが予想される。

コカ・コーラは、自社商品を自社物流拠点から管轄の各取引先小売店舗に配送する際に、物流パートナー社の店舗配送トラックを使用している。しかし、配送手配において、最需要期の夏場以外は、日によって稼働率にバラつきが出ることもあること、時間帯によって納品が無く稼働していない時間が発生することがあるという。

こうした現状から、両社の配送車両の安定運行を図ることを目的とし、両社で車両を共同活用する新たなスキームを構築した。この取り組みにより、限られた車両を有効活用し、ドライバーの安定確保につなげながら、新規に使用する配送車両を削減、配送効率を下げることなく車両を安定稼働させることを目指す。

実施エリアは、両社の配送センターがある神奈川県海老名市のエリアが中心。ファミリーマートの対象店舗は海老名市を中心に厚木市、平塚市、藤沢市などの周辺エリア約240店で開始する。検証を通じ、今後両社で対応活用可能なエリアを検討し、順次拡大していく予定。取り組みの開始時は1台でスタートし、今後の検証を通じて台数の拡大を検討する。

配送手順としては、ファミリーマートにおいて、店舗からの発注データに基づき、コカ・コーラに配車を依頼。車両の稼働状況を確認し対応可能な場合は配車を手配する。車両を手配できる場合は、コカ・コーラの配送を終えた店舗配送トラックが、ファミリーマートの配送センターに行き商品を荷受けし、ファミリーマート店舗に商品を配送する。