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厚労省、「健康に配慮した飲酒ガイドライン」公表 適切な飲酒量促進

厚生労働省は、飲酒に伴うリスクに関する知識の普及の推進を図り、適切な飲酒量・飲酒行動の判断を促す「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を作成し、公表した。

アルコール健康障害の発生を防止するため、国民一人ひとりがアルコールに関連する問題への関心と理解を深め、自らの予防に必要な注意を払って不適切な飲酒を減らすために活用されることを目的として作成。不適切な飲酒は健康障害等につながるほか、飲酒する習慣がない人に無理に飲酒を勧めることは避けるべきとしている。

過度な飲酒には疾病発症等のリスクや、運動機能や集中力の低下に伴う行動面のリスクがあるとし、純アルコール量に着目しながら自分に合った飲酒量を決めるよう促している。

純アルコール量は、「純アルコール量(g)=摂取量(ml)×アルコール濃度(度数/100)×0.8(アルコールの比重)」で表すことができる。例えばビール500ml(5%)の場合は、500ml×0.05×0.8=20gとなる。

純アルコール量と疾患などの発症リスクの関連性については、例えば大腸がんの場合は1日当たり20g程度(週150g)以上の量の飲酒を続けると発症の可能性が上がるといった研究結果を示している。

国内における疾病別の発症リスクと飲酒量(純アルコール量)

健康に配慮した飲酒のしかたについては、下記の5つを示している。

  • 自らの飲酒状況等を把握する
  • あらかじめ量を決めて飲酒をする
  • 飲酒前または飲酒中に食事をとる
  • 飲酒の合間に水(または炭酸水)を飲むなど、アルコールをゆっくり分解・吸収できるようにする
  • 一週間のうち、飲酒をしない日を設ける

また、避けるべき飲酒等について、下記の5つを示している。

  • 一時多量飲酒(特に短時間の多量飲酒)
  • 他人への飲酒の強要等
  • 不安や不眠を解消するための飲酒
  • 病気等療養中の飲酒や服薬後の飲酒
  • 飲酒中または飲酒後における運動・入浴などの体に負担のかかる行動

なお、アルコールによる影響には個人差があり、また、その時の体調等によっても影響が変わり得るものとして、注意を促している。