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NTTドコモ・ベンチャーズ、グループに貢献する生成AIタレントやエンタメアプリに投資

NTTドコモ・ベンチャーズ 代表取締役社長の安元淳氏

NTTドコモ・ベンチャーズは、AIモデルを生成するAI modelと、友達と遊べるたまり場アプリを提供するパラレルの2社に出資すると発表した。東京・麻布台ヒルズに移転した同社にて説明会が開催された。

NTTドコモ・ベンチャーズ(NDV)は、2023年10月に公表した投資方針で「より戦略リターンを追求するCVC(Corporate Venture Capital、事業会社による投資)への進化」を掲げており、共創を見込む企業に対し、出資比率の引き上げやリードポジションでの出資を強化している。

NTTグループに貢献するという立場も明確にしており、これまでの活動実績のうち、NTTグループへのEXIT実績が8社という数字は「課題」と指摘、「より伸ばすことが、さらなるミッション」(NTTドコモ・ベンチャーズ 代表取締役社長の安元淳氏)とする。「これまではNTTグループが、M&Aをできていなかった。CVCで今回のようなファイナンスをして、国内外で戦略のベレルを上げていく」と、投資の規模や速度をさらに加速させていく方針。

AI model

AI modelへの出資は、NDV初のリード出資事例となり、成長を強力に支援し「伴奏していく」(安元氏)。今後は国内外のアパレル企業や関連企業に広くAIモデル・AIタレントを提供し、モデル撮影の課題解決に貢献していく方針。また、NTTドコモグループが展開するファッションサービスや広告サービスなどとの共創も図っていく。なおAI modelはすでに、伊藤園のテレビCM(動画)、三越伊勢丹の専属モデル、Right-on、三井住友不動産、東京ガールズコレクションに、AIで生成したモデルを提供した実績がある。

左はAI model CEOの谷口大季氏

パラレル

アプリ「パラレル」を提供するパラレルへの出資は、ドコモ・イノベーションファンドの注力領域である「エンタメ」領域への投資強化を反映したもので、同ファンドのスタートアップ投資では過去最大の出資額になる。

「パラレル」は、友達の家に集まるように、“たまり場”をオンライン上で再現したというアプリ。広告・宣伝をしていない状態ながら、口コミで広まり累計登録者が400万件に上っているほか、Z世代が約75%、海外が25%という構成も特徴。アプリの中で楽しめるエンタメコンテンツを充実させていく方針で、今後はdアニメストアをはじめとしたNTTグループのコンテンツとの相乗効果を生み出す施策も検討していく。

パラレル 代表取締役の青木穣氏

新たなベンチャー拠点 麻布台ヒルズに移転

NDVの新オフィスは麻布台ヒルズの森ビルJPタワーにある。森ビルは麻布台ヒルズにおいて、VC、CVCの集積を打ち出しており、約70のベンチャー企業やVCなどが集まる見込みになっているという。NTTドコモ・ベンチャーズもこうした多数のベンチャーが集まる場所での共創効果を見込み、10年ぶりのオフィス移転を行なっている。