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アマゾン、アイロボット買収を断念 EU規制当局の承認得られず

米Amazonは29日(米国時間)、ロボット掃除機「ルンバ」のiRobotの買収を断念すると発表した。2022年8月にAmazonが約17億ドルでのiRobot買収を表明していたが、EU規制当局の承認が得られなかった。

AmazonのDavid Zapolsky氏(SVP and General Counsel)は、「AmazonによるiRobot買収が進まなかったことを残念に思う。我々は、消費者向けロボット技術の未来を信じており、消費者を喜ばせ、生活を向上させるiRobot製品のファンだった。このコラボレーションを実現するために取り組んだ皆に感謝する」と述べるとともに、「この結果は、消費者に迅速なイノベーションと競争力のある価格をもたらし、生活を快適で楽しいものにすることを否定している。このようなM&Aは、iRobotのような企業がグローバル市場で競争力を高めるのに役立つ。ロボットなど動きが速い技術分野では、同様の規制要件が適用されない企業との競争が激しくなる。不当な規制のハードルは、起業家の意欲をそぎ、消費者と競争の双方に打撃を与える」とEUの決定への不満を表明している。

iRobot創業者のコリン・アングル氏は、「Amazonとの契約終了は残念だが、iRobotは、思慮深いロボットとインテリジェントホームのイノベーションを作り続けることに集中していく」とコメント。あわせて、コリン・アングル氏のCEO退任と事業再建策が発表され、コアとなるフロア掃除(floorcare)事業に集中し、空気清浄、ロボット芝刈り、教育などの事業を停止。従業員の31%に相当する約350人の人員削減を行なう。