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サムスンGalaxy S24シリーズは「Galaxy AI」搭載 翻訳・検索・要約・写真
2024年1月18日 11:35
サムスン電子は、米国で17日に開催された「Galaxy Unpacked」で最新スマートフォン「Galaxy S24シリーズ」を発表。「Galaxy AI」による新たなモバイル体験を展開する。
新モデルとなる「Galaxy S24 Ultra」「Galaxy S24+」「Galaxy S24」で「Galaxy AI」を搭載。リアルタイム翻訳や「かこって検索(Circle to Search)」などの新機能に対応する。
Galaxy AIの主な特徴
リアルタイム翻訳は、双方向の音声翻訳とテキスト翻訳に対応。サードパーティ製アプリは不要で、デバイス上のAIで、音声とテキストでの会話をリアルタイムで翻訳できる。チャットアシスト機能では、Samsungキーボードに組み込まれたAIが、メッセージやメールなどを13の言語でリアルタイムに翻訳。
また、車に乗っている時にカーナビアプリの「Android Auto」が受信したメッセージを自動的に要約し、関連する返信や到着予定時刻の送信などを提案。運転中でも簡単に返信できるようになる。
「Samsung Notes」のノートアシスト機能は、AIが生成した要約と、そのタイトルも自動的に作成。作成後も一覧表からノートを見つけやすくなる。ボイスレコーダーアプリで音声録音をする場合、文字起こしアシスト機能により複数の話者がいるAIにより録音の文字起こし・要約、さらには翻訳まで行なえる。
また、Googleによる「かこって検索(Circle to Search)」をスマートフォンとして初搭載する。これは、ホームボタンを長押し、画像などを丸で囲んだり、タップするだけで、すぐに検索結果を見られる機能。例えば、友人のSNSの背景に映るランドマークやYouTubeショートに掲載されているものを、“いまのアプリ”上で調べられる。検索した内容の詳細を知りたい場合、続けて質問ができるAIも搭載している。
カメラ機能にもAIを活用。夜景の撮影を向上する「Nightography(ナイトグラフィー)」を強化し、ズームしても鮮やかに映し出せるようになる。
Galaxy AI編集ツールは、オブジェクト消去、構図変更、フォトリマスターなどの編集に対応。より効率的に編集したい場合は、編集サジェスト機能がGalaxy AIを使用し、編集機能をおすすめする。また、ジェネレーティブ編集機能では生成AIを使って画像の背景の一部の塗りつぶしに対応。写真が傾いている時は、写真を角度補正でき、不足している背景はAIが塗りつぶす、といった使い方が可能。また、人物やオブジェクトの位置を微調整したい時は、AIがオブジェクトの位置を調整し、元の場所の背景もAIが生成する。
なお、Galaxy S24シリーズが生成AIで画像編集をする場合は、「AIアイコン」が表示される。
また、Snapdragon 8 Gen 3 Mobile Platform for Galaxyを搭載し、効率的なAI処理でAI性能を向上。ゲーム体験なども強化している。
Galaxy AIの実現にあわせて、サムスンとGoogle Cloudは、生成AI技術について複数年のパートナーシップを締結し、「Galaxy S24シリーズ」では、クラウド経由でVertex AIの「Gemini Pro」と「Imagen 2」を展開する。
Googleによる新たなAIモデルGemini(ジェミニ)は、テキスト・コード・画像・ビデオなど、様々な種類のメディアをシームレスに理解・操作し、組み合わせる「マルチモーダル」が大きな特徴となっている。今回の協力により、サムスン純正のアプリや、ノート・ボイスレコーダー・キーボードで「要約」機能が利用可能になる。
また、Galaxy S24シリーズでは、Google DeepMindによるテキストから画像への拡散技術「Imagen 2」を使った写真編集機能に対応。Galaxy S24の「ギャラリー」アプリの「ジェネレーティブ編集」から利用できる。クラウド接続が必要で、最大12メガピクセルの写真をリサイズ可能。また、AIによって生成された画像であることを示すために、保存時に画像出力に目に見える透かしが重ねられる。
このパートナーシップの一環で、サムスンはGoogleの最も高性能なAIモデルとなる「Gemini Ultra」をテストする最初の顧客の1つとなる。また、Galaxy S24シリーズは、Android 14の一部として提供される、オンデバイスLLM「Gemini Nano」を使用する。