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日本橋に国内最高層の木造ビル 地上18階高さ84m

三井不動産は、東京都中央区日本橋で推進中の「(仮称)日本橋本町一丁目3番計画」を1月4日に着工した。設計施工は竹中工務店が実施し、竣工は2026年9月を予定。

「日本橋に森をつくる」をコンセプトとした、三井不動産グループ初の木造賃貸オフィスビル。伐採適期を迎えて計画的に伐採した木材と森のメンテナンスのために間伐した木材の活用が日本の林業の課題である中、三井不動産グループの保有林約100m3を含む、1,100m3超の国産材を構造材として使用し、仕上げ材・内装としても積極的に保有林の木材を活用する。

木造賃貸オフィスビルとしては国内最大・最高層となる地上18階建、高さ84m、延床面積約28,000m2の規模を誇る。木材量も国内最大級で、CO2固定量は約800t-CO2を見込んでいる。同規模の一般的な鉄骨造オフィスビルと比較して、躯体部分では、建築時のCO2排出量を約30%削減する効果があるという。

また、三井不動産と日建設計で作成したマニュアルをベースに、不動産協会によって策定された「建設時GHG 排出量算出マニュアル」を適用してCO2排出量を把握する、初のオフィスビル物件でもある。

国内初となる木造・耐火技術を導入。竹中工務店が開発した耐火・木造技術を導入し、主要構造部材に木材を活用したハイブリッド木造建築物となる。

構造材だけでなく、内装・仕上げ材にも木材を活用。木ならではのやすらぎとぬくもりを五感で感じられる木造オフィスビルを実現する。

エントランスホールは上質な吹き抜け空間とし、壁には三井不動産グループの保有林の木材を使用。天井には三井ホームが保有する木接合技術を活用する。また、事務所専有部では木の構造部材に触れることができる現しとし、働きながら木に触れ、香りを感じられるオフィス環境を創出する。

一部フロアには、日本橋では三井不動産初となる、都心型の賃貸ラボ&オフィス「三井リンクラボ」の整備を予定。三井不動産はアカデミアなどの有志とともに、ライフサイエンス・イノベーション・ネットワークジャパン(LINK-J)を2016年に立ち上げており、本計画では、LINK-Jの活動の中心地でもある日本橋で、ライフサイエンス分野の企業を中心に、希少性の高い本格的な研究環境を整備する。

「日本橋に森をつくる」のコンセプトのもと、日本橋における新たな緑の拠点として約480m2の緑地を整備。オフィスワーカーや来館者、周辺住民が自然を身近に感じられる緑豊かな歩行空間を創出する。樹種の選定では、地域の景観との調和を意識しながら、蝶などのいきものが都心にも生息しやすい生物多様性に配慮した環境づくりを推進。都心のなかでも自然を感じられる植栽計画とし、「いきもの共生事業所認証(ABINC認証)」の取得を目指す。

屋上には、有機質肥料を用いた水耕栽培システムと空調設備の省エネ効果が期待される室外機芋緑化システムを導入予定。水耕栽培システムは、NewSpaceが開発した技術を導入したオーガニック農法を実現する。

有機質肥料を用いた水耕栽培システム
屋上における室外機芋緑化システム

東芝エネルギーシステムズと連携し、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の実証実験も実施。今後の本格展開に向けて活用し、従来型の太陽電池では困難だった新たな用途への適用に貢献することを目指す。

朝日飲料の「CO2を食べる自販機」も新築オフィスビルとして初設置。庫内にCO2を吸収する鉱業副産物を使用した特殊材を搭載し、設置するだけで大気中のCO2を吸収する国内初の自動販売機。1台当たりのCO2年間吸収量は稼働電力由来のCO2排出量の最大20%を見込み、スギ(林齢56~60年想定)に置き換えると約20本分の年間吸収量に相当するという。

所在地は、東京都中央区日本橋本町一丁目3番地。敷地面積は約2,500m2