ニュース

スペースX、スマホと直接通信できる衛星の打ち上げに成功

直接通信衛星の初積み込み

KDDIは3日(米国時間)、衛星とスマートフォンの直接通信サービスを可能とするスターリンク(Starlink)の最新鋭衛星6機がスペースXによって初めて打ち上げられ、軌道上に展開されたと発表した。

KDDIとスペースXは、Starlinkとau通信網を活用し、auスマートフォンが衛星と直接つながるサービスを2024年内に提供開始予定。同サービスでは、空が見える状況であれば、圏外エリアでもauスマートフォンで通信ができるようになり、山間部や島しょ部などを含め、日本全土にauのエリアを拡張する。「空が見えれば、どこでもつながる」体験を実現するという。

直接通信衛星は、Starlinkで使用中のv2 mini衛星を応用するため、実績豊富なロケットFalcon 9による打ち上げに対応。大型フェーズドアレイアンテナを搭載し、スマートフォンとの通信を実現するほか、スペースX開発の無線装置などにより、常時高速移動する衛星とも通信できる。また、既存のStarlink衛星群と衛星間通信することで、近くに地上局のないエリアでも利用可能となる。

打ち上げに使用されたロケット Falcon 9
Falcon 9の打ち上げ

空が見える場所でのSMS/音声通話/データ通信利用に対応し、既存のスマートフォンで利用可能となる。まずは、SMSなどのメッセージ送受信から開始し、音声通話/データ通信も順次対応する予定。なお、スペースXのイーロン・マスク氏は、「携帯電話が繋がらない場所での利用のためのもの。既存網を代替するものではない」と述べている。

直接通信用衛星の軌道投入

KDDIは今後、スペースXとT-Mobileなど同サービスを提供予定の通信事業者とともに、衛星の技術検証を実施していく。

Starlinkを使った衛星直接通信サービスを提供予定の通信事業者は、T-Mobile(アメリカ)、Optus(オーストラリア)、Rogers(カナダ)、One NZ(ニュージーランド)、Salt(スイス)、Entel(チリ)、KDDI(日本)。