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「サントリー天然水」パッケージ一新 ウォーターポジティブ強化

サントリー食品インターナショナルは2024年春以降、「サントリー天然水」ペットボトルのパッケージデザインをリニューアルする。

同社は2030年までに、全世界の自社工場の半数以上で、水源涵養(かんよう)活動により使用する水の100%以上をそれぞれの水源に還元する「ウォーター・ポジティブ」の実現を目指しており、その想いをパッケージを通じて消費者に届ける狙い。

パッケージデザインを変更するのは、サントリー天然水 2Lおよび550mlペットボトル。ウォーターポジティブの必要性を、製品、工場、店頭コミュニケーションなど、あらゆる接点で伝えていく方針だが、中でも圧倒的に消費者との接点が多い製品のラベルを活用する。

新旧ラベル比較
550mlペットボトルのリニューアル前(左)とリニューアル後(右)
2Lペットボトルのリニューアル前(左)とリニューアル後(右)

サントリーグループはこれまでも、水を育む森を守る「サントリー 天然水の森」活動を国内で実施するなど、自然界における水の健全な循環への貢献を図る「水のサステナビリティ」を事業活動における最も重要な課題とし、自然環境の保全・再生につながる活動に取り組んでいる。

また、容器・包装において、軽量化や植物由来素材の導入による環境負荷低減を図るなどのサステナビリティ活動に取り組んでおり、4月にはサントリー天然水 2Lペットボトルにて、小さく、たたみやすい新容器を投入し、日常生活において分別回収などサステナビリティを意識した行動に楽しく取り組める環境作りを行なってきた。

コミュニケーションを通じた啓発については、12月12日から放映する芦田愛菜さんを起用したテレビCMを通じて、「未来の水をいま、森から育む」というメッセージとともに「ウォーター・ポジティブ」の大切さを伝える。

テレビCM「地球との会話」篇

日本国内だけではなく海外でも同様の取り組みを推進しており、2004年から国内で開始した次世代環境教育「水育(みずいく)」を、2015年のベトナムでの開始を皮切りに、タイ、インドネシア、フランス、中国、スペイン、イギリス、ニュージーランドへと拡大している。

ベトナムでの水育風景

また、サントリー食品スペインが、11月22日にスペインのトレド県ラヨス市と水源涵養に関する協定を締結した。

スペインのトレド周辺の地域では、乾季の降水量が極端に少なく、雨季に降る雨を各地のダム(貯水池)に貯めることで、1年の水需要を満たしており、サントリー食品スペインのトレド工場も複数の貯水池から供給される水を使用して清涼飲料の製造を行なっている。その一つであるグアハラス貯水池に流れ込むラヨス川周辺の植生環境の回復を通じて、水質の改善し、地域住民や生態系が利用可能な水量を増すことで生物多様性の改善を図るなど、自然の回復に資する水源涵養活動を展開する。

工場の水源であるグアハラス貯水池

サステナは事業成長に必要不可欠

サントリー食品インターナショナル 代表取締役社長 小野真紀子氏によれば欧米において、消費者自身が社会的課題解決に取り組むエシカル消費への関心が高まっており、日本においても今後高まっていくと推測されるという。

特にZ世代の間ではサスナビリティに対する感度が高まっている傾向にあり、「今後Z世代が中心になっていく中で、同じように高品質な商品が並ぶ中から選ばれるためには、サステナビリティの価値を持っていることが重要。そのための活動に取り組み、社会課題の解決とともに、ブランド価値の向上にもつなげていきたい」と説明した。

サントリー食品インターナショナル 代表取締役社長 小野真紀子氏