ニュース
携帯キャリアの金融サービス、クロスユースは楽天が圧倒 MM総研
2023年11月17日 08:40
MM総研は16日、携帯キャリア4社が自社グループで提供する銀行・証券サービスの利用状況の調査結果を発表した。銀行・証券のクロスユース率は、楽天モバイルが50.8%でトップ。
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天の各社は、携帯電話サービスとともに、銀行や金融サービスをグループ内に持ち、ポイント連携などにより“経済圏”を構築している。今回の調査では、携帯電話利用者が、契約先の携帯キャリアが提供する各種サービスを「最も利用している」と回答した比率(クロスユース率)を指標とし、グループ内の利用者の囲い込みについて調べている。
調査によれば、銀行・証券クロスユース率は楽天モバイルが50.8%でトップ。楽天モバイルユーザーの約半数が楽天銀行の口座を所持し、29.5%が楽天証券を利用。なお、楽天証券は全キャリアユーザーを含めた利用率でもトップとなっている。
また、携帯キャリアと銀行や証券をまとめていない人の「まとめ意向」でも楽天が一番高く、楽天ユーザーの20.7%が銀行口座、13.8%が証券会社をまとめてもよいと回答するなど、楽天の経済圏の強さが目立つ形となる。
銀行口座では、楽天銀行と楽天モバイルのクロスユースが50.8%と高いが、そのうちメインで使っている人は21.3%。ソフトバンクのPayPay銀行口座率は13.8%でメインでは2.5%、auのauじぶん銀行も12.6%でメインが2.6%となっている。
証券口座でも、楽天モバイルユーザーの楽天証券利用率は29.5%、メイン利用率は21.6%と非常に高い。auカブコム証券の利用率は3.6%、PayPay証券は1.4%。なお、楽天証券は、ソフトバンク、ドコモ、au ユーザーに関しても1位になっている。
今回の調査対象は、15歳~79歳の携帯キャリア4社を利用している男女。Webアンケートで回答件数は3万6,949人(4キャリアを個人利用/メインで利用)。内訳は、ドコモ1万7,720人、au 9,543人、ソフトバンク5,805人、楽天モバイル3,881人。調査期間は8月13日~15日。
今回の調査は8月のための、ドコモユーザーはクロスユース率から除外しているが、その後、ドコモがマネックス証券の子会社化を発表したほか、ソフトバンクはPayPayを優遇する「ペイトク」を、auが通信と金融サービスを融合させた料金プラン「au マネ活プラン」を開始するなど、携帯キャリアによる金融サービスの強化は続いている。