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Copilotを集中強化するマイクロソフト Teamsは会議をアシスト

Microsoftは15日(米国時間)、開発者イベント「Microsoft Ignite 2023」において、Copilotのブランド整理や、Copilot for Microsoft 365の機能強化、新たなローコードツール「Copilot Studio」などを発表した。

Copilot Studioは、Microsoft 365(Copilot for Microsoft 365)の新機能となり、Microsoft 365のデータや機能などを使って、カスタムGPTsや生成AIプラグイン、手動トピックなどのチャットベースのアプリを作成できる。プロンプトやドラッグアンドドロップなど、コードを書かずに、オリジナルのアシスタントを作成できる。

Introducing Microsoft Copilot Studio | Your Copilot, Your Way

Copilotブランドを整理・強化

今回、生成AIを使った「Copilot(副操縦士)」の機能やブランドを整理し、Bing ChatとBing Chat Enterpriseは単に「Copilot」の名称となった。Copilotは、Webで質問に答えたり、コンテンツを作成したり、データを推論するといった機能を備えており、MicrosoftのCopilotの基本的な機能といえる。

Copilot for Microsoft 365では、さらにMicrosoft 365のOffice製品などを組み合わせて、より高度なデータ分析やコンテンツ作成、社内の課題解決などに対応可能にする。新たにIgniteでは、パーソナライゼーションの強化や、高度な分析機能、Copilotのコラボレーション強化などを発表した。

Copilot for Microsoft 365 | Work On

パーソナライゼーションでは、Copilotに自分の役割や、自分にとって重要なことを指示できるようになった。回答も、フォーマット、スタイル、トーンの好みなどを、役割や好みにを反映させたものを得られる。まずWordとPowerPointで展開され、Microsoft 365の他のアプリでも近日中に展開予定。

Python in Excelでは、Pythonを使った数学的分析に対応。ExcelのCopilotと組み合わせることで、自然言語を使用して同機能を利用できるようになる。コラボレーションにおいては、Teamsミーティングで議論に集中できるようにしたり、ブレーンストーミングのメモをデジタルホワイトボードで共有、Microsoft Loopで共有ワークスペースを構築などが可能。

Teamsは会議アシスタントに。WordやパワポもCopilot

2024年提供のCopilot in Teamsでは、「会議アシスタント」としての機能を強化。例えば「ベンの言葉を引用して」とCopilotに指示すると、Copilotがベンの発言を書き起こして全員に見せられる。

また、Teams会議でCopilotの機能を活用したいが、録音は作成したくない場合、文字起こしなしでCopilotを有効にするオプションも用意される。この場合、Copilotは会議中に質問に答えたり情報を提供できるが、終了後にやりとりの記録は残らない。

Teamsチャンネルでは、Copilotを使用して、長い投稿をまとめたり、アクションアイテムを取得、重要な決定事項を確認などが可能になる。また、TeamsのチャットやチャンネルにあるCopilotの作成ボックスは、Copilotがメッセージの作成を支援したり、トーンの調整を行なうなどのサポートに対応する。

Copilot in Microsoft Whiteboardは、Teams会議中に話されたディスカッションポイントを自動的にキャプチャして視覚化。Whiteboardのコラボレーションスペースに整理し、会議参加者全員で共有する。

'24年初頭にリリースするOutlookのCopilotは、会議用の機能を強化。招待状の詳細、関連メール、関連ドキュメントを統合してサマリーを作成などを支援する。

また、Notion的なコラボレーションツールとなる「Microsoft Loop」の一般提供も開始した。

Copilot in Wordでは、文章履歴の確認などに対応。「この文書で何が変更されたかを確認するにはどうすればよいですか」などと質問して、文書の改訂をすばやく把握できるようになる。

Copilot in Microsoft PowerPointでは、企業のブランド資産および画像ライブラリを使用して、AIが生成したビジュアルを使ったプレゼンテーション作成に対応する。また、Microsoft VivaやWindows Appも多くの機能強化が行なわれている。