ローソン、閉店店舗の屋根・壁・柱・サッシを新店舗に再利用

建物建材再利用により建設された新店舗

ローソンと大和リースは、閉店したローソン店舗の屋根・壁・柱・梁・サッシなどの建物建材を新店舗に再利用する取り組みを開始。再利用1号店として、岡山県津山市に「ローソン津山高野山西店」を11月17日にオープンする。

閉店したローソン店舗の躯体・外壁部分(基礎部分を除く)に使用している建材を重量ベースで約9割再利用する。エンボディード・カーボン(建物の建設や修繕・解体などに伴うCO2排出)の削減にも繋がり、新店舗を建設する際の資材製造から建物が完成するまでのCO2排出量について、通常店舗建設との比較で約6割の削減を見込む。

建材再利用の対象となる店舗は、ローソンと大和リースが共同で開発した「DL-e工法」により2013年以降に建設された店舗のうち、各種要件を満たした店舗。再利用の可否は、築年数や再利用する新店舗のオープン時期などから判断する。

再利用を前提に、専門の職人によって部材ごとに丁寧に解体。解体後の部材は、大和リースの工場で建材の状態の確認、部材ごとに設けた基準に沿った整備を行ない、整備した部材を活用して新店舗を建設する。再利用の基準外となった部材については新品を用意する。建設の手順と工事期間は通常の新店舗と同様。

解体の様子(岡山県内の閉店店舗)

解体の様子

解体した建材の状態を確認している様子(大和リース工場内)

DL-e工法誕生のきっかけは、2011年の東日本大震災時の被災地での店舗営業再開のための、ローソンの仮設店舗の建設を大和リースが担当したこと。DL-e工法は軽量鉄骨を利用したプレハブ工法で、2013年からローソンの標準的な店舗で採用されている。

モジュール化された指定の建材を現地で組み立てていく工法で、組み立てや解体がしやすいため、2013年の開発当初から建物建材の再利用を視野に実験や検証を進め、工法の改良を続けてきた。建設コストについて、躯体部分(基礎、鉄骨、外壁、屋根、サッシ)において約3割のコストダウンが図れる見込みとなったため、本格展開に至った。

今後、諸条件が合う店舗については順次、この取り組みを推進し、CO2排出・廃棄物削減などの地球環境負荷軽減や、建設・解体時の騒音・振動・粉塵の抑制などの生活環境負荷軽減に繋げる。

ローソン津山高野山西店の住所は岡山県津山市高野山西526-2、延床面積は198.25m2。