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ゆうちょ銀、本人確認プラットフォームに参画 3メガ銀含めた10行に

ゆうちょ銀行は、NECが複数の金融機関と連携して運営する「マルチバンク本人確認プラットフォーム」に2024年1月より参画する。参画する金融機関は、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行など10行、提供できる本人確認済情報は合計1億口座以上となる。

マルチバンク本人確認プラットフォームは、顔写真付き本人確認書類を用意しなくてもオンライン本人確認を可能とするeKYCサービス。銀行が保有する氏名、住所、生年月日などの本人確認済情報を、利用者本人の許諾に基づきサービス事業者へ提供することで、オンライン上で利用者の本人確認が完結できる。利用者がすでに持っている銀行のインターネットバンキングアカウントや口座情報等で利用が可能。

この本人確認が利用できるサービスとして、カード会社、証券会社、資金移動業者、シェア・マッチングサービス、EC、交通・旅行が挙げられている。例えば、証券会社の口座開設における利用者の手順は、まず証券会社の口座開設サイトで申込を開始。本人確認で使う銀行口座を選択し、銀行の情報照会、本人確認書類の撮影を行なう。この時の確認書類は顔写真なしでも可能。その後、審査、口座開設へと進む。このうち、銀行口座選択から本人確認書類撮影までがマルチバンク本人確認プラットフォームによるもの。

開発の背景には、デジタル技術を通じたオンラインサービスが浸透している中での、本人確認書類の偽造による不正利用、利用可能な本人確認書類を保有していないユーザーへの対応といった課題がある。

こういった課題に対してNECは、複数の金融機関との共創により、金融機関が保有する信頼性の高い本人確認済情報をサービス事業者へ連携し、オンライン上で本人確認に活用する仕組みを構築した。

顔写真付き本人確認書類を用意することなく犯罪収益移転防止法(犯収法)に準拠した形でオンラインにて本人確認を完結できるほか、犯収法の対象とならない事業者においても、本人確認書類コピーの郵送や本人確認書類を撮影した画像のアップロードに代わる、より安全な本人確認手段として活用できるとしている。

また、本人確認済情報をテキストデータ形式で提供し、OCRの読取精度に依存しないため、本人確認済情報をより正確に把握でき、審査精度向上や事務負担軽減が期待できるとする。

個人情報漏洩リスクについては、本人確認を実施する事業者に対して金融機関が保有する情報をオープンAPIを通じて仲介するという仕組みとし、プラットフォーム自体では本人確認済情報を保持・蓄積しないことで、リスクを最小化している。