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イオン横浜のウォークスルー店舗を見てきた 商品を持って退店で会計完了

CATCH&GO

ダイエー横浜西口店跡地に、ダイエーが運営する「イオンフードスタイル横浜西口店」が、10月27日にオープンする。同店に併設する形で出店するウォークスルー店舗「CATCH&GO」のメディア向け内覧会が実施された。

イオンフードスタイル横浜西口店は、イオンモールによる商業施設「CeeU Yokohama(スィーユー ヨコハマ)」の核店舗という位置づけで、1階に出店。売場面積は453.5坪で、そのうちCATCH&GOは15坪。なお、スィーユー ヨコハマのグランドオープンは12月15日。

CeeU Yokohama
イオンフードスタイル横浜西口店の入口はCATCH&GOの向かって右側。写真では奥にCATCH&GOがある

CATCH&GOは、NTTデータが提供するウォークスルーショッピングシステム「Catch&Go」を導入した店舗。システム名と店舗名がほぼ同名だが、システムのCatch&Goは他の小売業者でも導入できる。

CATCH&GO店内

CATCH&GOでの買物の手順は、専用のスマホアプリで表示したQRコードを入店ゲートのリーダーにかざして入店。購入する商品を手に取り、商品バーコードスキャンやレジ決済等をすることなく出店ゲートを出れば、決済が完了する。

アプリでQRコードを表示
入店ゲートでQRコードをかざして入店
商品を手に取る
何もすることなく出店ゲートを出る
会計が完了している
レジ袋購入はタブレット操作が必要

決済は専用アプリ「ダイエー CATCH&GO」に登録したクレジットカードにより行なわれるため、事前にアプリのダウンロードと登録が必要。繁華街にある店舗としてはこの点がハードルにもなりそうだが、「利便性を訴えさせていただき、体感していただければ便利さを分かっていただけると思うので、最初のハードルについては楽観的に考えている」(ダイエー リテールビジネス改革本部 ICT企画部 部長 山内洋氏)という。

アプリは店頭のQRコードからもダウンロードできる

店舗は歩行者が多い道路に面した場所で、朝夕の通勤・通学の際にスピーディに買物ができるコンビニのような使われ方を想定。商品は弁当やホットデリカ、飲料、菓子など約400品目を取り揃える。最大同時入店は12人まで可能。

店内では、店舗の上部に設置したカメラと商品棚の重量センサーによって、手に取った商品や数を認識する。店内に設置されたカメラの数は35、重量センサーの数は900~1,000。重量センサーは1つの商品に対して複数台利用しているケースもあるため、品目数よりも多くなっている。カメラや重量センサーなどの情報から来店者の属性、売場動線、商品接触状況といった店舗内行動を分析できるため、導入店舗にとってはマーケティングにも活用できるとしている。

店舗上部に設置したカメラ
写真にあるオムライスの例では、3台の重量センサー(商品下の白いスノコ形状のもの)を利用している

重量センサーを利用している関係上、一度手に取った商品を戻す際には、元の場所に戻す必要がある。別の商品の場所に置かれた際にはイオンフードスタイル側に通知され、スタッフが元に戻すという運用を予定する。

ダイエーとNTTデータは、2021年から共同でNTTデータ社内にてウォークスルー店舗の運営を行なっている。NTTデータがCatch&Goシステムのメリットに挙げるのが、スキャンも会計作業も不要な点。従業員の負荷軽減と消費者の購買体験向上を、同時に成立させることを目指している。

同じようにカメラや重量センサーを活用して来店客が手に取った商品を認識するシステムとして、退店時に会計作業が必要という違いがあるものの、TOUCH TO GO(TTG)が出店拡大を進めている。TTGでは特に、ガソリンスタンド、ホテル、学校、病院などの中の限られた空きスペースに設置できる極小店舗による「マイクロマーケット(小規模商圏)」への動きを強めている。

これに対してNTTデータのCatch&Goでは、「1,000m2くらいの都市型スーパーへの適用を目指していく」(NTTデータ 法人コンサルティング&マーケティング事業本部 アセットベースドサービス推進室 西郷拓海氏)としている。