イトーキ、サステナブルな植物「ケナフ」活用の椅子

イトーキとトヨタ紡織は、サステナブルな植物「ケナフ」を活用したチェア「ケナフラウンジチェア」を開発。10月26日～11月5日に開催される「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」トヨタ紡織のブースで展示する。発売時期、価格は未定。

ケナフは東南アジアなどの熱帯地域で広く栽培されている、短期間で収穫可能な一年草。成長が早く、収穫できる繊維も多いのが特徴。また、成長時の二酸化炭素吸収能力が針葉樹の約7倍と高く、ケナフを基材とすることで、製造過程で発生するCO2排出量を削減できる。

トヨタ紡織では、ケナフ繊維とポリプロピレン繊維より作られた“ケナフボード”を、従来の石油由来樹脂の使用量を削減しながら軽量・高剛性を実現する素材として、自動車内装部品に一部活用。

両社は2021年8月に、オフィス家具業界で初めてケナフを原料としたオフィス家具を共同開発。今回、イトーキのチェア設計・製造技術と、トヨタ紡織のケナフボードの加工技術を掛け合わせることで、環境にやさしく、より意匠性の高いチェア「ケナフラウンジチェア」を共同開発した。

ケナフラウンジチェアは、座面と背もたれにケナフボードを採用。背座クッションの張地には、反毛ワタ混リサイクル糸を使用しツイード調に仕上げた生地を採用している。クッションを合わせることで快適な座り心地を実現しつつ、天然繊維から作られる質感をあえてそのまま見せることで、ナチュラルな空間を演出する。

自動車内装向けの部材では薄い単層成型が主流なのに対し、複数枚のケナフボードを重ねて一体の強い構造体とすることで、座る人の体重を支える強度を実現。これにはトヨタ紡織での長年にわたるケナフボード独自の成型技術に加え、イトーキが有する成型合板のノウハウが掛け合わせられている。