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BYD、日本参入第二弾のコンパクトEV「ドルフィン」 363万円から

中国のEVメーカーBYDは、日本で販売するモデルの第二弾として、コンパクトEV「BYD DOLPHIN(ドルフィン)」を9月20日より発売する。価格は363万円からで、政府のCEV補助金の65万円を適用すると298万円からになる。日本市場向けの改良を施したモデルとして展開する。

BYD DOLPHINは、2021年8月に中国で発売されたBEV。タイやオーストラリア、シンガポールなどでも販売され、販売台数は合計43万台に上る。ボディサイズが4,290×1,770×1,550mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2,700mmのコンパクトEV。日本市場向けに全高を1,550mmに調整し(他市場は全高1,570mm)、日本の一般的な機械式駐車場のサイズ制限に合わせた。ロングホイールベースによる広い車内空間と、最小回転半径5.2mの優れた小回り性能も両立した。

バッテリー容量は44.9kWhで、一充電あたりの航続距離が400kmの「BYD DOLPHIN」と、バッテリー容量58.56kWhで一充電あたりの航続距離が476kmの「BYD DOLPHIN Long Range」の2つのグレードをラインナップしている。車両から電気を取り出すV2LとV2Hにも対応。給電器を繋げば家庭に電力を供給することも可能。車両重量はBYD DOLPHINが1,520kg、BYD DOLPHIN Long Rangeが1,680kg。駆動方式はいずれもFWD。

価格は、BYD DOLPHINが363万円、CEV補助金65万円を適用すると298万円。BYD DOLPHIN Long Rangeが407万円、CEV補助金を適用すると342万円。

BYD DOLPHIN
BYD DOLPHIN Long Range

グレードに関わらず、搭載可能なADAS(先進運転支援システム)を全て搭載。同一車線内走行支援のナビゲーションパイロットや死角をサポートするブラインドスポットインフォメーション、自動緊急ブレーキシステムなどの機能を標準で装備している。

特に、新機能として、ドライバー注意喚起、幼児置き去り検知、誤発進抑制、フロントクロストラフィックアラート、フロントクロストラフィックブレーキを搭載。

ドライバー注意喚起機能では、ステアリング操作やペダル操作、時刻等の状況からドライバーの疲労度を検知してディスプレイに警告を表示する。

幼児置き去り検知(CPD)機能は、車内のミリ波レーダーが、幼児やペットなど生体が車内に残っていることを検知すると、ライトの点滅とホーンで車外に知らせる。

誤発進抑制システム(ペダル踏み間違い時加速抑制装置)機能は、アクセルペダルが急に踏み込まれた場合や、前後バンパーのセンサーに障害物が検知された場合にアクセル操作を制御する機能。

フロントクロストラックアラート、フロントクロストラフィックブレーキは、進路を横切る他の車両と衝突しそうになった時、ドライバーに衝突回避を促す機能。見通しの悪い交差点などで、他の車両や歩行者の接近時に機能する。

「BYD DOLPHIN」は、海洋生物の自由さや美しさから着想を得たデザインフィロソフィーのもと開発されたBYDの乗用車シリーズ「海洋シリーズ」の最初のモデル。

エクステリアは、可愛らしさと人懐っこさを感じさせるイルカのような丸みを帯びたボディラインと、イルカが海面から飛び出てくるときの躍動感を表現した2本の大胆なウエストラインが特徴で、親しみやすさと力強さを感じさせるとしている。

カラーは、DOLPHINがサンドホワイト、アーバングレー、コーラルピンクの3色。DOLPHIN Long Rangeはコーラルピンク+アーバングレー、サーフブルー+アーバングレー、アトランティスグレー+ブラック、スキーホワイト+アーバングレーなどツートンカラーを基調とする。また、インテリアカラーもそれぞれ各色専用のものが用意される。

サンドホワイト
アーバングレー
コーラルピンク
コーラルピンクの内装
コーラルピンク+アーバングレー
サーフブルー+アーバングレー
アトランティスグレー+ブラック
スキーホワイト+アーバングレー

インテリアは、滑らかで広がりのある曲線でデザインされており、モダンでダイナミックな車内空間を演出しているほか、なだらかに起伏を繰り返す穏やかな波を連想させるダッシュボードや、イルカのフィンをモチーフにしたドアノブなど、遊び心を散りばめた。

イルカのフィンをモチーフにしたドアノブ

BYDは、2022年7月に日本への参入を表明。日本市場向けのEV第一弾として「ATTO 3」を2023年1月に発売した。同社はこの一年間を「体制作りの1年」とし、販売ネットワークの拡充やサポート、アフターサービス、プロモーションの強化等に力を入れたという。

現在は、全国に49の店舗を構え、その内11店舗は実車を展示する正規ディーラー。9月には東京・品川にも開業している。2023年内には60拠点、正規ディーラー20店舗以上の開業を目指し、2025年末までに100店舗の展開を目指す。

BYDのこれまでの国内販売台数は、ATTO 3の登録台数ベースで700台(2023年8月時点)。今回投入するDOLPHINにより、2023年12月までに、さらに1,100台(スタンダード800台、ロングレンジ300台)の販売を見込む。

これまでATTO 3は700台を販売
DOLPHINは12月までに1,100台の販売を目指す