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GoogleのチャットAI「Bard」が高性能アップデート Gmailやマップ連携も
2023年9月19日 19:19
Gmailなどと連携する「Googleサービスとのエクステンション」を搭載
今回は複数の機能が追加となるが、もっとも大きな変化は、Googleのサービス群と連携するための「エクステンション」が搭載されることだ。ただし、この機能は現状、英語のみでの提供となる。
例えばGmailで受信した母国語でないメールの返事について、Bardに草稿を書かせることも可能になるし、旅行の案を考えてフライトチケットの予約をすることもできる。
連携するサービスは、GoogleドキュメントやGmail、Googleドライブ、YouTube、Googleマップ、Googleフライト、Googleホテルなど。
その性質上、Bardが自分のプライベートなデータにアクセスすることになるが、その内容をBardの訓練に使うことはないし、開発過程でAIの学習情報をレビューする人間が情報を見ることはない。
プライバシーについてさらに気になる場合には、Bardがアクセスするサービスについて、それぞれ自分で「連携して使う・使わない」という設定を行なうこともできる。
機能的にはBardのチャットAIと連携する「エクステンション」であり、ChatGPTのプラグインに近い考え方だが、利用者が事前に「エクステンションを使う」と設定する必要はなく、必要な時には自動的に機能が呼び出される。
また、現状はGoogleのサービスと連携する「エクステンション」として提供されており、サードパーティーがエクステンションを作り、連携できるようにはなっていないという。
回答に関連する情報をパラグラフごとに「ネットから検索」
2つ目の大きな機能改善は「根拠の提示」だ。
生成AIではハルシネーション(不正確な回答)が生まれる可能性も高く、「回答はどのような根拠に基づいたものか」を人間側が確かめて利用する必要がある。
そこでGoogleは、Bardに「Google」ボタンをつけ、回答に関する内容をネット検索できるようにしている。今回の改良は、それをさらに便利にするものだ。
「G」のアイコンをクリックするとBardは回答を再度確認し、ウェブ上に書かれた内容を立証するような文章があるかどうかを評価する。その結果、Bardの回答はパラグラフ単位で色分けされることになる。
それぞれのパラグラフをクリックすると、そのパラグラフの内容に基づくウェブのコンテンツが表示されるようになっている。
これを元に回答の内容を評価することで、自分が深い知識を持っていない内容についても、Bardの回答が妥当かどうかを判断できるようになる。
マルチモーダル機能は日本語にも対応へ
3つ目の機能拡張は「会話のシェア」の改良だ。
現在でも、Bardで行なった会話をそのまま他人にシェアすることはできる。しかしそれはあくまで「他人とBardの会話を見る」機能であり、自分が会話に参加することはできなかった。
今回から、シェアされた会話の後に、自分が続けて質問や命令を与え、さらに会話を続けられるようになった。
最後の4つ目は「マルチモーダル」の言語拡充だ。
英語版のBardでは、文章で質問や命令を与えるだけなく、画像を与えて回答してもらう「マルチモーダル機能」が実装されている。
この機能が英語以外の40の言語にも拡充されるが、対照言語にはもちろん日本語も含まれる。
これらの拡張が行なわれても、Bardはまだ「試験運用」であることに変わりはない。利用者からのフィードバックを元に、今後も更なる改善が続けられていくという。