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セブン銀行ATM、他行の口座開設・住所変更もできる「ATM窓口」

セブン銀行ATMとモデル・タレントの谷まりあさん

セブン銀行は、第4世代ATMを活用した新サービス「+Connect」を提供開始し、9月26日から「ATM窓口」などをスタートする。ATM窓口は、セブン銀行以外の金融機関も、セブン銀行ATMを「窓口」として利用できるサービス。口座開設のほか、住所などの届出情報の変更手続き、外国人の在留期限の管理などがATMで行なえるようになる。

あわせて、提供企業から利用者に対して、情報を通知したり回答を受信できる「ATMお知らせ」も開始する。

「ATM窓口」に対応する金融機関は、静岡銀行、群馬銀行、東日本銀行、セブン銀行、北陸銀行、沖縄銀行、広島銀行。「ATMお知らせ」は、静岡銀行とセブン銀行、PayPay銀行が対応する。対応時期は金融機関によって異なり、9月26日からは、東日本銀行とセブン銀行がATM窓口に、静岡銀行がATMお知らせに対応開始する。

+Connectのサービスは、本人確認書類やIC、QRコードなどの読み取り機能、カメラによる顔認証など新型ATMの特徴を活かして提供される。

「ATM窓口」の主な機能は、口座開設や変更届(住所・電話番号等)、継続的顧客管理、在留カード提出、ローン申込。これらがATMだけで完結でき、例えば口座開設は最短3分で完了できるという。また、継続的顧客管理では、ATMを利用者に「住所変更はありませんか?」など一定期間ごとに通知できるようになる。

「ATM窓口」でできること

ATM窓口の特徴は、マイナンバーカード、運転免許証のICチップとカメラによる本人確認を利用できること。口座開設や住所変更時も、マイナンバーカードの情報を活用できるため、正確な情報を自動取得できる。そのため、住所入力等の手間を省き、3分程度で住所変更や口座開設を終えられるとする。

実際に口座開設のデモを試してみたが、銀行を選び、マイナンバーカードを指定の場所において撮影し、顔認証を行なうとマイナンバーカードから情報が取得される。あとは電話番号、名前、暗証番号を入力して、確認すると開設申し込みが完了する。確かに3分程度で作業が完了でき、特に住所入力の手間が発生しない点は便利だと感じた。なお、ATM窓口で対応するサービスは金融機関によって異なる。

「ATMお知らせ」では、届出情報の変更有無を確認したり、商品サービスの紹介などが受けられる。また、キャッシュカードを使う際に、住所変更について尋ねることも可能で、住所変更がある場合は、対応金融機関であればATM窓口の利用を促せる。こうした機能により、セブン銀行ATMを、「日常の生活圏内で、安心安全に、手続きができる窓口チャネル」として展開する。

ATMお知らせ
生活に近い、リアルの場での「デジタルチャネル」

キャッシュカード不要で「顔認証」入出金 24年春開始

セブン銀行の新型ATMは現在首都圏を中心に、15,531台が提供されており、2024年度末には全国27,000台以上のセブン銀行ATMで+Connectサービスを提供する。

+Connectは、「ATMをサービスプラットフォームに進化させる」という構想で展開しており、今後も機能強化を予定している。

第2弾として、2024年春には「顔認証」機能を活用したキャッシュカード不要の入出金取引きを開始予定。さらに、ホテルのチェックインや行政手続きなどにもプラットフォームを広げていくという。

ATMは「サービスプラットフォーム」

セブン銀行の松橋正明社長は、全国に2.7万台が設置され、10万件以上の取引を行うセブン銀行ATMについて「社会インフラ」と強調。Connect+により、金融機関をはじめ、広く使われるサービスプラットフォームにATMを進化させていくとした。

左からセブン銀行 常務執行役員 深澤孝治氏、日本マイクロソフト エバンジェリスト 西脇資哲氏、セブン銀行 松橋正明社長、静岡銀行 大石康太 デジタルチャネル営業部長、谷 まりあさん、セブン銀行 柏熊俊克 ATM+企画部長

+ConnectではATMを認証基盤として活用し、「ATM窓口」などの金融機関展開を強化していく。まずは銀行を中心に広げていくが、今後クレジットカードや保険の申し込みなどへの展開も想定。また、シェアリングサービスやフリマ、チケット販売などのATMによる本人確認利用を拡大していく。