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イオン、介護の不安を情報・商品・交流で解消「MySCUE」

イオンリテールは、イオンのシニアケア事業「MySCUE(マイスキュー)」を、9月7日に開始する。総合スーパーで展開する商品やサービス、ウェルネスに関係するグループ各社や取引先などのネットワークを活かした総合プラットフォーム事業を展開する。

MySCUEは、家族のシニアケアや介護に携わる人などの「ケアラー」に向けた、必要となる情報・商品・サービスへアクセスできるプラットフォーム。会員を対象とした相談・質問の場を設けるなど、シニアケアにまつわるコミュニティスペースも運営する。

提供の背景には、2012年時点では65歳以上1人に対して20~64歳は2.4人だったが、2050年には65歳以上1人に対して20~64歳は1.2人になるという課題がある。また、2025年度のシニア市場規模は約100兆円、2040年の介護費用は25.8兆円になるという推計があることから、ケアラーをサポートする事業を開始する。

イオングループではこれまでも、商品やサービス、設備や環境を通してシニアケアに取り組んできた。MySCUEではこれらに加え、情報サイト、マーケットプレイス、店舗を通してケアラーを包括的にサポートする。

情報サイトではコンテンツとして、記事検索、相談・質問、ブログ、コミュニティ、イベントを提供。記事検索では、例えば骨折など突然介護が必要になった場合も含め、何をしたらいいのかを調べるなどの使い方を想定する。

相談・質問は、ケアラーには気軽に相談できる相手がいないケースも多いことから提供。パートナー企業とも連携し、専門家の意見を聞ける環境を作る。

ブログやコミュニティの機能については、シニアケアや介護は体や心に厳しく、時には孤独感を伴うケースもあることから実装。ブログを書くことにより、感情や経験を整理し、外部に表現する手段となり、心の重みの軽減が期待できるとする。また、介護の経過や変化を記録として残す手段にもなる。コミュニティは、同じ悩みを持つ人と繋がり、情報交換、相互サポート、経験の共有ができる場とする。

イベントは、オフラインおよびオンラインにて実施し、シニアケアに関わる情報を発信する。

事業の展開スケジュールは、9月7日に情報サイトを開始。2024年以降に店舗やマーケットプレイスをスタートさせる。情報サイトでプラットフォームの土台となる会員の基盤を作り、ケアラーの悩みや思いなどの情報や声を蓄積、分析し、店舗やマーケットプレイスの構築に活かす。会員目標数は、2025年度までに30万人。

MySCUEの概要を説明するイオンリテール MySCUE事業 プロジェクトリーダー 駒井一郎氏

新規事業を推進するにあたり、イオンリテールのヘルス&ウェルネスなどのカテゴリーと、イオングループ内外のパートナー企業や地域自治体等と連携。イオンリテール 代表取締役社長 井出武美氏は「これまで扱ったことのないサービスや商品についても、この事業を通じて新たにチャレンジし、当社が進めているヘルス&ウェルネス・OMO戦略の中核となる事業にまで育てていきたい」と説明した。

就労移行支援事業など障害福祉サービスを展開するイオングループのアビリティーズジャスコとも連携
司法書士法人などイオングループ以外とも連携して情報を発信する

また介護は突然必要になることもあり、備えができていないことも多い。これが介護をより困難にする原因とし、イオンリテールがシニアケアの案内人となり、より多くの人が介護未満の段階からシニアケアに触れ、介護やケアに対する不安や負担を軽減することを目指す。井出氏は「ますます重要となる共助の仕組みを作り、これからの社会を是非とも前向きに捉えていただきたい」との思いを述べた。

イオンリテール 代表取締役社長 井出武美氏
MySCUEが店舗を展開する前から、MIGが提供する「脳健康VR測定」をイオンモール内で展開予定。生活習慣改善などによる認知症の予防を促す

MySCUE(マイスキュー)という名称には、ケアラーを救いたいというメッセージが込められており、「マイ」には私を、自分を、「スキュー」にはレスキュー、救うという意味がある。ロゴについては、「U」は「誰かがあなたに手を差し伸べる」ということ、下部のラインはMySCUEがケアラーを支えるプラットフォームであることを表現している。全体的なイメージカラーの黄色には、幸せや喜びを表している。

駒井一郎氏(左)、井出武美氏(右)