ハンドジェスチャーで照明・空調を操作するシステム　壁スイッチ不要

利用モード

竹中工務店は、手の形状や指先の位置(ハンドジェスチャー)に応じて、照明・換気・エアコンなどを非接触で制御できるシステム「Contactless Smart Control(コンタクトレス スマート コントロール)」を開発した。

Contactless Smart Controlは、画像認識技術を用いたシステム。天井に設置したカメラが画角エリアの画像を取り込み、制御コントローラーでAI画像処理により手を検出。その位置・形状(グー、パー、OKサイン、指差しなど7パターンを判定)を識別して、あらかじめ決めた条件に適合するかを判断し、各設備機器に指令出力する。

壁スイッチモードと空中スイッチモードがあり、壁スイッチモードの場合は手の指差し形状および、その位置を判定し、照明などの入切・調光を行なう。空中スイッチモードの場合は指定ゾーンで手のひらをかざすことで空調温度設定が変更するといった使い方ができる。

そのほか、プレゼンテーションを行なう際に、ハンドジェスチャーによって資料操作やポインターの役割を担うなど、多様な設備制御に適応できるという。

システム概念図

通常、設備機器、器具を使用するには、それぞれの設備に合わせた形やサイズ、色などの異なるスイッチを壁に設置するが、設置スペースに制約があるほか、空間デザインを損なわないように設置する場所や採用する色に配慮する必要がある。

これに対してContactless Smart Controlでは、壁スイッチ用の配管配線や機器の取り付けが不要となり、自由度が高くデザイン性に優れた空間を提供できるほか、設備機器、器具の追加変更などへも柔軟に対応できるとしている。施工面では、壁面への設備ごとの配管配線工事をなくせることから、工程短縮、工事費削減が図れる。

そのほか、複数の設備を一括で統合的に制御することが可能。新築・既存を問わず適用できる。また、非接触で操作できるため、新たな感染症対策としても有効としている。

今後は、オフィスビルや商業施設のような可変性が求められる施設、医療関係など感染の影響が大きい施設、生産施設などスイッチを設置する壁面が少ない空間に提案を進める。また、体の不自由な人や、育児や介護に携わる人なども含めた多様な社会で有効となるインターフェースとして技術を拡張し、使いやすさの向上やセキュリティ機器への展開などを進める。