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Sansan、新規顧客開拓をサポートする営業リスト作成機能

Sansanは、受注確度の高い営業リストの作成から顧客へのアプローチまでを一貫して行なえる「新規顧客開拓ソリューション」を提供すると発表した。拠点情報およびターゲティングタグ機能、営業リスト作成機能を提供する。

Sansanはこれまで、接点を持った後の既存顧客へのアプローチに活用できるサービスを提供してきたが、新たなソリューションを通じて新規顧客の開拓に活用できるサービスとなることを目指す。従来Sansanでは「名刺交換した後に、営業を強くする」ことを訴求してきたが、これからは「名刺交換の有無に関わらず、営業を強くする」としている。

新規顧客開拓ソリューションに含まれる機能は、ターゲティングタグ、拠点情報、営業リストの作成・共有機能の3つ。Sansanがこれまで提供してきた名刺やメールのやり取り、および100万件の企業情報等の企業データベースから企業を絞り込んで、新規顧客開拓に活用できる情報を得るための機能として提供する。

ターゲティングタグは、企業の最新動向に合わせて付与される、ターゲティングをより効率化するための機能。「自己資本比率連続2期以上上昇」「テレワーク実施企業」「営業職募集企業」といった「企業動向タグ」、導入しているITサービスが分かる「導入ITサービスタグ」から、企業の最新動向を見極め、リストを絞り込めるとしている。

拠点情報では、Sansanに標準搭載されている100万件の企業情報に加え、法人単位より詳細な拠点単位の情報を追加。同じ企業でも、事業所や工場などの拠点に新規開拓余地がある業界が数多く存在するという考えから、拠点情報の追加により精緻な営業リスト作成につなげる。また、これまでユーザーがSansanに蓄積してきた名刺データも拠点単位の情報に紐付けることが可能になる。

営業リストの作成・共有機能は、Sansan上で簡単に営業リストを作成して保存し、組織内で共有できる機能。複数のツールの使用や複雑な突合作業をすることなく、Sansan上で営業リストの作成と共有、営業先の企業と自社との接点の有無やキーパーソンの特定、アプローチまでを一貫して行なえる。

営業リスト(開発中のデモ画面のため実際とは異なる)

提供時期については、ターゲティングタグは実装済み、拠点情報は9月中の実装予定、営業リスト関連は実装時期未定となっている。利用できるのは、Sansanで提供する3つのプランのうち、スタンダード以上で契約している企業。

企業を絞り込む際の画面(開発中のデモ画面のため実際とは異なる)
企業の情報(開発中のデモ画面のため実際とは異なる)
企業と接点のある社内スタッフへのメッセージ送信画面(開発中のデモ画面のため実際とは異なる)

新規顧客開拓ソリューション提供の背景

Sansanはクラウド名刺管理サービスとして成長を続けてきたが、コロナ禍で名刺交換機会が減少。名刺データ化数の前年比は最大で-65.1%になったという。

こういった大きな社会変容がある中で、Sansanでは'20年3月に「オンライン名刺」、同年11月に「QRコード付きバーチャル背景」、'21年12月に「メール署名取り込み」といった機能を追加。'22年6月には「クラウド名刺管理サービス」から「営業を強くするデータベース」へとコンセプトを刷新した。その後は、Sansan上に蓄積する顧客との接点情報を拡充するとともに100万件を超える企業情報を標準搭載した。

こういった取り組みの効果もあり、コロナ禍でもストック売上高、契約件数ともに堅調に推移し、プロダクト刷新後には解約率が過去最低水準だったという。

新たなソリューション提供にあたっては、営業活動において継続的に成果をあげるためには、新規顧客の開拓が重要な役割を担っていると分析。そのために必要なプロセスとして、営業戦略や緻密なターゲティングを反映した営業リストの作成があるが、リストの元となる情報をインターネット上から探す、外部から企業データを購入するなど、工数や費用に課題がある。そういった課題を解決し、さらに営業を強くするデータベースとなるため、新規顧客開拓のための営業リストを効率的に作成・共有できるソリューションを提供する。

Sansan 取締役 執行役員 COO 富岡圭氏(左)、同執行役員 Sansan事業部 事業部長 小川泰正氏(右)