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三菱地所、都心宿泊型産後ケアサービス開始 ホテルに助産師など常駐
2023年6月29日 14:31
三菱地所は、都心宿泊型産後ケアサービスの試験運用を開始する。睡眠不足や育児不安に悩む母親・家族をサポートし、安心して休める空間やサービス、情報を提供する。総合不動産業を本業とする大手デベロッパーが、自ら事業を展開するのは初としている。利用料金は1日あたり6~7万円台予定。
対象は、産院退院直後から生後4カ月まで(寝返りが始まる前)の乳児とその母親。母親が十分な睡眠と休養をとれるよう、ホテル等において、助産師などの専門スタッフが常駐して別室でいつでも乳児を預かるサービスを提供する。授乳や育児の相談にも応じるほか、パートナーへの育児指導も実施する。
産後の母親の約10~15%が育児への不安や重圧により精神的に不安定になる「産後うつ」を発症するといわれており、その背景として、周囲のサポート不足などの環境要因も大きく関わっていることが指摘されているという。
また、三菱地所が実施した、1都3県在住の出産経験者を対象とした産後の不安・悩みに関するアンケートの結果から、「睡眠不足」「一人でリラックスする時間がない」「命を守る緊張感が続く」「(母親自身が)栄養のある食事がとれない」などの問題があるとしている。
現在、東京メトロ半蔵門線 水天宮前駅直結の「ロイヤルパークホテル」にて、医療法人と連携してサービスを提供。試験運用中の利用者から、「ゆっくり休むことができ、リフレッシュできた」「スタッフの親身な関わり方やスムーズなコミュニケーションにより、ストレスなく安心して過ごすことができた」といった声があることを紹介している。
試験運用期間は6月~9月予定で、利用者1組あたりの利用期間の目安は3~7日間。サービス利用中にゆっくり休めるだけではなく、帰宅後の日々も支える知識・技術、活用できるサービスなどに関するアドバイスを通じて、利用者が少しでも前向きに育児に取り組めるようになることを目指す。
今後は各種検証を重ねた後、事業の本格展開を目指すほか、将来的には都心部を中心にホテル以外のアセットや単独施設の開発も検討する。