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クボタ、完全自動運転でコメを収穫するコンバイン 世界初
2023年6月15日 12:12
クボタは、世界初の完全自動運転でコメや麦の収穫作業が行なえる「アグリロボコンバインDRH1200A-A」を2024年1月に発売する。価格は2,003万4,000円から。これにより、同社の主要3機種(トラクタ、田植機、コンバイン)すべてに無人自動運転仕様がラインアップされた。
日本国内では、農家の高齢化や後継者不足に伴い、省力化や人材の確保、生産性向上などの課題を解決する手段として、スマート農業への期待がいっそう高まっている。
「無人自動運転」には、周囲の障害物や人などを検知して停止する機能が必須だが、一般的に「ほ場」(田んぼや畑)に作物がない状態で作業するトラクタ、田植機と違い、コンバインは常に収穫対象である稲や麦がある状態で作業することから、収穫対象と障害物等を識別する機能の開発が課題となっていた。
本製品では、AIカメラとミリ波レーダーを搭載することで、収穫対象と障害物や人を識別して停止することが可能。3月に農林水産省が定めたロボットコンバインの安全性確保ガイドラインにも適合する。
機体の前後左右に搭載するAIカメラと機体前後のミリ波レーダーが周囲の状況を監視し、無人での自動運転中に周辺の人や障害物を検知すると機体が自動で停止。ほ場の最外周の1周だけオペレータが運転して刈取り作業をすることで、機械が自動で最適な刈取りルートを作成。2周目からはほ場周辺で使用者による監視の下、無人自動運転が可能になる。無人自動運転によって未熟練者でも熟練者と同等の刈取り作業を行なえる。
機体前方のレーザーセンサーとRTK-GNSSアンテナにより、畔(あぜ)の高さと位置を検知。畔が低い場合は熟練者のように機体の一部を飛び出して効率的な旋回を行なう。また、レーザーセンサーは作物の高さも検知し、作物の高さに合わせて機体前方の刈取り部やリールの高さ、車速を自動調整することで倒伏角度60°までの稲・麦の刈り取りが可能。
無人自動運転時に刈取り部に稲・麦の詰まりを検知した場合には、自動で詰まりを除去して作業を再開でき、監視者が機体まで行くことなく、詰まりによる時間ロスを最小限にとどめる。
通信距離約250mのリモコンにより、監視者は自動運転の開始や停止、モミ排出前の機体前後進等の遠隔操作が可能。
なお、AIカメラ、ミリ波レーダー、レーザーセンサーを省略してコストを抑えた「有人仕様(DRH1200A-OP)」も同時に発売。作業時にオペレーターが搭乗する必要があるが、無人仕様と同様に、最外周を1周するだけでほ場マップを作成し、2周目からは自動運転が可能になる。価格は1,947万2,200円から。