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南海、自動運転走行試験 高師浜線・和歌山港線での導入目指す

8300系2両編成を走行試験車両として使用

南海電鉄と京三製作所は、「係員付き自動運転(GoA2.5)実現」に向けて、和歌山港線にて自動運転走行試験を8月頃から開始する。

自動運転実証試験の準備を'22年7月から行なってきた。'23年8月頃から、和歌山港線の和歌山市駅~和歌山港駅(営業キロ程:2.8km)にて試験を行なう。

和歌山港駅

試験目的は、自動運転システムの安全性・安定性、および自動運転時に係員が行なう作業における課題抽出。試験は8300系2両編成を走行試験車両として使用し、運転士が乗務した状態で、昼間、夜間に実施する。客が乗車する列車では走行試験は行なわない。

試験で確認する項目は、南海電鉄が使用している「自動列車停止装置(ATS-PN)」と、京三製作所と共同開発した「高機能型の自動列車運転装置(高機能ATO)」を組み合わせた自動運転システムの安全性。また、運転士が運転する際と同等の目標速度への加速・減速、停止精度等を確認する。

試験結果を踏まえ、有識者で構成する「GoA2.5自動運転検討委員会」にて安全性評価を得た後に、導入を目標とする線区(高師浜線および和歌山港線)での自動運転実現に向けて検討する。

係員付き自動運転(GoA2.5)は、運転士以外の係員が先頭車両に乗車する自動運転で、既存設備を活用して導入可能。そのため、安全性を確保したうえで投資コストを抑制し、費用対効果を高められることから、GoA2.5の実現を目指す。

'22年7月からの準備では、車両に搭載する「高機能型の自動列車運転装置(高機能ATO)」に、地上情報(信号機設置位置・勾配・停止位置等)を記憶させておく必要があることから、地上設備等の測量を実施しデータ作成を行なった。

各種設備の整備も行なっており、地上設備として、運転士が確認、判断している情報(信号機の現示や走行経路情報等)を、車両内の自動列車運転装置に送信する機能を付加した自動列車停止装置(ATS-PN)を新設。車両設備として、高機能型の自動列車運転装置(高機能ATO)や乗務員用の操作表示部を設置した。

地上設備(ATS-PN/左)、車両設備(乗務員操作部/右)