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渋谷再開発が新たなステージへ 原宿・代官山・代々木公園と広域連携

東急不動産は、広域渋谷圏でのまちづくりにおいて、「創造」「発信」「集積」を循環させる新たな取り組み「PROJECT LIFE LAND SHIBUYA」(以下、PLLS)を開始する。

東急不動産は東急とともに、渋谷駅から半径2.5kmを広域渋谷圏(Greater SHIBUYA)と定義し、渋谷のまちづくり戦略である「Greater SHIBUYA 2.0」を策定。「働く」「遊ぶ」「暮らす」が融合した持続性あるまちづくりを目指している。

広域渋谷圏で推進中のプロジェクトとして具体的には、渋谷桜丘エリアの「Shibuya Sakura Stage」、原宿・神宮前エリアの「東急プラザ原宿『ハラカド』」、代官山エリアの「Forestgate Daikanyama(フォレストゲート代官山)」、代々木公園エリアの「代々木公園Park-PFI計画」の4つがある。

これらが2024年度に向けて竣工・開業し、面的に広がることにより、東急不動産の広域渋谷圏におけるまちづくりは面的連携という新たなステージに移行し、開発というハードだけではなく、運営というソフトの両輪に取り組む。

取り組みの狙いについて東急不動産 都市事業ユニット 渋谷開発本部の黒川康裕氏は、「国際競争力に優れたグローバル都市を目指す上で、広域渋谷圏が持つ『価値創造力・発信力・多様性』という魅力をさらに伸ばしていくこと」と説明。そのために、「創造」「発信」「集積」を循環させる取り組みを積極的に行なっていく。

東急不動産 都市事業ユニット 渋谷開発本部 執行役員 本部長 黒川康裕氏

これらを強化する取り組みとして、創造においては体験型コンテンツの開発、スタートアップ共創、発信においては都市のメディア化、デジタルツイン、集積においてはパートナーシップ・アライアンス構築を挙げる。

創造についてはすでに、原宿・神宮前エリアにおいてポニーキャニオンと協業によるカルチャー・トレンド創出のためのクリエイター支援、Plug and Play Japanとの協業によるスタートアップコミュニティ形成に取り組んでいる。また、本田圭佑氏が共同創業者を務めるXPV Circle Fundなどベンチャーキャピタルへの出資や、渋谷区との連携による取り組みを進めている。

発信についてはソニーPCLと連携した動画や広告撮影用のデジタル背景アセット事業、東急プラザ表参道原宿における広告ジャックといった街のメディア性向上などがある。

こういった創造・発信をドライブさせる仲間の広域渋谷圏への「集積」に向けて、「人と、はじめよう。」をコンセプトにしたプロジェクト、PLLSを立ち上げる。

PLLSの4つの拠点として、広域渋谷圏で開業する東急プラザ原宿 ハラカド、Shibuya Sakura Stage、フォレストゲート代官山、代々木公園Park-PFI計画を設定。

ハラカドでは、クリエイターがプロデュースするフロアの展開、施設運営コミュニティ「ハラカド町内会」の形成などを通じて、クリエイターが集い、新しい文化が生まれる場となることを目指す。

2024年春開業予定のハラカドの現在の様子
ハラカド 外観イメージ

フォレストゲート代官山に隈研吾と企画した「ライフスタイル提案住戸」

フォレストゲート代官山では、MAIN棟の賃貸住宅で、3名のパートナーとともに「ライフスタイル提案住戸」を企画。建築家の隈研吾氏との「半分くつろぎ半分整う家」、ランドスケープデザインを手掛けるDAISHIZEN代表の齊藤太一氏との「好きな植物と共に暮らす家」、フードエッセイストの平野紗季子氏との「Allday Dinnig House」を、各1戸つくり上げる。

フォレストゲート代官山 外観イメージ

隈研吾氏のキーワードは「こころ/With Totonou」。自分自身(こころ)と向き合う究極のOFF空間を狙いとし、外界と少し切り離された印象の抽象的な空間としている。

齊藤太一氏のキーワードは「緑/With Green」。暮らしの中でも緑を感じられる住戸の提案で、「サンルームにより内と外の境界線が溶け合い、自然を感じられる素材感に包まれる空間」としている。

平野紗季子氏のキーワードは「食/With Delicious」。おいしい食事を味わうことへのこだわりを追求することは、豊かな人生を追求することと同義であるとの考えから、「食卓を暮らしの中心とし、食へのこだわりや魅力を、住空間の中で実践・発信できる住戸」としている。

フォレストゲート代官山ではそのほか、TENOHA棟において同物件の住民や事業者、周辺の住民、来街者などが参加する活動「CIRTY(サーティー)」を始動。マルシェやイベント・ワークショップを通じた、サーキュラーエコノミーを身近に考えるためのきっかけづくり、同じ想いを持った仲間によるコミュニティー形成を図り、そこからサステナブルを発信する拠点となることを目指す。

代官山駅側から見たTENOHA代官山のイメージ

次世代アーティストを応援する「SHIBUYA ART BASE」

渋谷桜丘エリアにおいては、東急不動産とカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が、渋谷をアートの力で盛り上げていくこと、次世代アーティストを応援することを目的としたアートプロジェクト「SHIBUYA ART BASE」を開始する。

両社は広域渋谷圏においてにぎわいをつくることをめざす「まちづくり協定」を締結。両社の施設やコンテンツといったリソースを活用し、アート、ゲーム、音楽、フード、スポーツなどのカルチャーを軸としたイベントの開催および次世代アーティスト支援を行ない、「カルチャーを育むにぎわいのまち」を目指す。

SHIBUYA ART BASEは、絵画や彫刻と比べまだ馴染みが薄く発表の場も限られているアートに焦点を当てることで、アーティストの活躍の場をつくり、アーティストとアートファンの「共創の輪」を広げることを目的としたプロジェクト。次世代のアーティストに発表の場を提供、支援するとともに、異なるジャンルのアーティストがつながる機会を創出する。

第1回目の企画として、Shibuya Art Collection Store(SACS/渋谷区桜丘町16-12 桜丘フロントビル)において、Might Be Classics #1≪菅野歩美 個展「明日のハロウィン都市 / Halloween Cities of To-Morrow」≫を6月18日から7月7日まで開催する。

また、Shibuya Sakura Stageでは、従来の賃貸借の関係を超えた新しいかたちの「テナント共創」に取り組む。

代々木公園

代々木公園では、公園内にスケートボードが利用可能なアーバンスポーツパークやランニングステーション、緑の中で食を楽しめるフードホールを整備し、来往者の心身の健康を支援する。また、渋谷と原宿をつなぐファイヤー通りの中間地点に位置することから、回遊性向上も見込む。