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「らくらくホン」「arrows」のFCNTが民事再生手続

「らくらくホン」や「arrows」シリーズなどの端末製造メーカーであるFCNTは、民事再生手続開始の申立てを行ない、5月30日付けで受理されたと発表した。サービス事業はほかの企業から支援を受け承継が行なわれる見込みである一方、端末の製造・販売は支援がなく、事業を停止する意向。

FCNTは富士通のモバイルフォン事業本部が前身で、2000年から端末の開発や販売、シニア向けSNSサービスなどを提供してきた。富士通コネクテッドテクノロジーズからFCNTに社名を変更、REINOWAホールディングスの100%子会社になって以降もモバイル端末の事業を継続していたが、「携帯端末市場の成熟化等によって売上が伸び悩む中、昨今の円安の進行、世界的な半導体不足等の影響によって原価・費用が急激に高騰し、REINOWAグループの収益・資金繰りは、急速に悪化する事態となった」という。

親会社を含めて資金繰りが難しくなる中、FCNTのサービス事業についてはスポンサー支援の意向が複数の事業会社から表明されたため、スポンサーへの承継によるサービス事業などの再生を目指し、民事再生手続開始の申立てに至ったとしている。

一方、プロダクト事業のうち端末の製造・販売事業については、「現時点において具体的なスポンサー支援の意向が表明されていない中で事業を継続することは極めて困難な状況」とし、事業を停止する方針。携帯端末の修理・アフターサービス事業についても、同様にスポンサー支援がない状況においては継続が困難な状況として、事業を一旦停止する。

なお、親会社のREINOWAグループと、REINOWAグループ100%子会社のジャパン・イーエム・ソリューションズ(JEMS)も民事再生手続開始の申立てを行なっている。

FCNTの端末

NTTドコモはFCNTの発表を受けて、「らくらくホン」「らくらくスマートフォン」「arrowsシリーズ」などのFCNT製の端末について、「当該端末をご利用されているお客さまへご心配をおかけすることがないよう、アフターサポート体制を整え、販売を継続してまいります」と表明、ただちに販売を停止することはない旨を明らかにしている。