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ヒカリエ裏に23階建て複合ビル「渋谷アクシュ」

東急は、渋谷ヒカリエや青山通りに隣接する渋谷駅東口エリアで開発を進めているビルの名称を「渋谷アクシュ(SHIBUYA AXSH)」に決定した。2024年度上期開業予定。

「渋谷二丁目17地区第一種市街地再開発事業」として進められている事業。地上23階、地下4階で、1~4階の商業施設、5~23階のオフィスで構成される。地下は駐車場など。

右下の青い部分が渋谷アクシュ
フロア構成
現在の様子

ビルの名称には、青山(AOYAMA)と渋谷(SHIBUYA)の街をつなぎ(X:交差する)、多種多様な人々が行き交う場所で、交流を誘発する施設になっていきたいという思いを込めている。また、「握手」の意味から、異なる人々や文化がこの場所でつながり・交じり合い、新たな価値が生まれていく様子を表現している。

ロゴマークは、「A(青山)」と「SH(渋谷)」をつなぐ「X」を異なる2色でデザイン。ブルーのラインは知的で洗練された青山を、イエローのラインは最先端のカルチャーを発信し続ける渋谷をイメージしており、これらが交わる形状で、「街・文化・人々をつなぐ」という施設が目指す姿を表現している。

計画地の渋谷駅から青山方面へと続く渋谷東口エリアは、坂道の中腹にあるとともに、宮益坂・明治通り・青山通りの幹線道路に囲まれていることから、周辺エリアとの回遊性に課題があった。

こういった課題に対して、高低差を解消する縦動線や隣接街区と接続するデッキを整備するなど、歩行者ネットワークを拡充し、あわせてヒカリエ側と青山側に広場を設置。人が集まり憩えるオープンスペースと商業店舗を歩行者動線上に沿って配置することで、回遊性に加え、これまでの人がたまれる空間の不足、賑わいの欠如といった課題も解決する。

ヒカリエ側と青山側の各広場には、坂道の中腹に位置する立地特性を活かした段差を使ったベンチや階段、および植栽を設置する。青山側広場では、NANZUKAがキュレーションを担当し、パブリックアート作品として広場で展示する予定。ヒカリエ側広場の2階レベルではデッキでアクシュとヒカリエが接続する。

ヒカリエ側広場
ヒカリエ(手前)とデッキで接続される場所

1階と2階をつなぐアトリウムには縦動線を整備し、周辺エリアへのフラットなアクセスを可能とする。また、屋外広場だけではなく、館内にも自然環境の要素を取り入れている点も特徴で、アトリウムでは吹き抜け空間を活かした緑化を実施する。加えて、オフィスエントランスにも緑のある環境を整備する。

周辺では宮益坂地区と渋谷2丁目地区で大規模な再開発が予定されている。東急 渋谷再開発事業部の田邊秀治氏は、「駅の東側は今後ますますオフィスワーカーや来街者が増加し、賑わいあふれるエリアとなる。渋谷アクシュはそのような渋谷駅東側エリアの中心に位置しており、駅から街への歩行者ネットワークを周辺に繋げるとともに、街区間の回遊性を向上させることで、エリア全体の連続した賑わいを実現する」と説明した。

エリア全体の回遊性向上
東急 渋谷再開発事業部 プロジェクト推進第二グループ 課長 田邊秀治氏

商業施設については1階・2階において、周辺エリアに不足する飲食機能の充実を図る。3階・4階では、「ウェルネス」をテーマとしたテナントが入居するほか、4階・5階に3.0テスラMRIを有した健康診断専門の「総合健診センターヘルチェック」がオープン。働く人と企業の健康をサポートする。そのほか、化学・日用品メーカーのサラヤが、食事と運動を連動させた店舗を出店。ナチュラルレストランと、トレーニングやスタジオプログラムを提供するフィットネス施設を展開する。

オフィスフロアは総賃貸面積24,950m2、基準階面積約1,325m2。23階フロアには一部テナントが利用可能な屋上スペースを併設する。

施行地区は東京都渋谷区渋谷二丁目100番地。施行面積約0.5ha、敷地面積約3,460m2、延床面積約44,500m2、高さ約120m。竣工は2024年5月末予定。

ビル名称の決定に伴い、CADAN(日本現代美術商協会)と協働で、渋谷アクシュをテーマにしたアート作品を製作し、仮囲いアートを展開する。

仮囲いアート