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原宿に新商業施設「ハラカド」 東急プラザ表参道は「オモカド」
2023年5月30日 16:19
東急不動産は、神宮前六丁目で2024年春に開業予定の商業施設名称を「東急プラザ原宿『ハラカド』」に決定した。神宮前交差点を挟んで対面に位置する「東急プラザ表参道原宿」は、「東急プラザ表参道『オモカド』」に、2024年度以降に改称する。メディア向けに、ハラカドの現在の様子が公開された。
「神宮前六丁目地区第一種市街地再開発事業」として進められている再開発事業。施行地区は東京都渋谷区神宮前六丁目1000番で、明治通りと表参道が交わる神宮前交差点に位置する。階数は地上9階、地下3階。
かつてオリンピアアネックスビルがあった場所で、そのほか1960年代の原宿・神宮前交差点にはクリエイターが集う「原宿セントラルアパート」があった。ハラカドは原宿セントラルアパートの文化を継承し、発展させた「新たな文化発信拠点」と位置付ける。
開業後は、交差点を挟むハラカドとオモカドの2館で連携。「『かど』と『かど』が合わさることで、人と人の出会いの交差点となり、神宮前交差点から新しい文化を創造、発信」し、神宮前交差点のさらなる魅力向上を図る。
「かど」と読む漢字に「角」「門」「才」があり、このうち「角」は神宮前交差点の角に建つ2つの施設を表すとともに、人と人が出会う街角も表す。「門」には明治神宮や原宿・表参道への入り口、新しい自分や新しい文化への入り口の意味を持たせている。「才」には、様々な才能を持つクリエイターが集う場所という意味があるとする。ハラカドとオモカドは、「角」に、様々な「才」のある人々が出会い、新しい文化への「門」となる場所として誕生するとしている。ロゴデザインは、ハラカドに入居するれもんらいふの千原徹也氏が手掛けた。
フロアは、クリエイターがそれぞれの個性を生かしてプロデュース。地下1階に昭和8年から90年続く高円寺の銭湯・小杉湯が、銭湯「小杉湯原宿(仮称)」を開業する。小杉湯原宿では、あえてサウナを設置せず、銭湯の良さをシンプルに発信する。
2階の神宮前交差点を見下ろす共有スペースでは、様々な文化を発信してきた雑誌を新旧交えて集めたフリースペース「COVER」を日販がプロデュース。期間ごとに特定のテーマについてフィーチャーした雑誌を展示し、何度でも訪れたくなる「たまり場」となることを目指す。
3階は、アートディレクターの千原氏が中心となった、クリエイター自身が「新しい」をテーマにした商品を、来館者に直接届けるクリエイターズマーケットフロア。また、クリエイティブ・ディレクターの大木秀晃氏がカフェをプロデュースし、クリエイターのアウトプットと交流を生み出すとしている。
5階と6階には、エクスペリエンスDが運営を担う飲食フロア・フードコートを展開。ミシュラン1つ星レストラン「sio」オーナーシェフの鳥羽周作氏がプロデュースする新時代のファミリーレストラン「FAMiRES」など、約20店舗が出店する。
そのほか、神宮前交差点や表参道をのぞめる屋上空間を設置する。緑のある空間として、対面にあるオモカドの屋上にある緑とともに、街で生活する人や働く人に大切にされてきた明治神宮から表参道に続く緑の景観への貢献を図る。
ハラカドでは、新しい商業施設運営の在り方にも挑戦。施設入居者間の共創を促す施設運営コミュニティ「ハラカド町内会」を形成する。
町内会を構成するのは、ハラカドに集うクリエイターを始めとした人や企業。町内会メンバーが自らイベントやコンテンツを企画、発信し、新たな仲間を集め、その仲間たちと一時的な流行ではなく文化をつくる「共創」が生まれることを目指す。
5月30日にはハラカドのティザーサイトを開設し、町内会メンバーが企画したイベントやコンテンツなどのプロジェクトを紹介するほか、ハラカドを共につくるクリエイターを募集する。
東急不動産では原宿・神宮前エリアにおいて、ハラカド、オモカドのほか、古民家を改装した多目的イベントスペース「UNKNOWN HARAJUKU」、衣服のアップサイクルを行なう「NewMake Labo」などで、商業施設やコミュニティを通じたクリエイター支援に取り組んでいる。表通りでの発信と、裏路地での発見を循環させながら、神宮前エリアに持続可能なクリエイターコミュニティを形成し、エリア全体での価値向上を目指す。
神宮前六丁目地区第一種市街地再開発事業の施行者は、東急不動産と東京メトロが共同出資する神六再開発。敷地面積約3,085m2、延床面積約19,940m2。竣工は8月予定。