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YouTube、フェイクニュース・誤情報対策を強化
2023年5月23日 12:32
YouTubeは、誤情報・フェイクニュースに関する日本での取り組みについて公表した。一貫した基準で動画を削除するほか、大規模な惨事など重大なニュースや、医療・健康情報では信頼できる情報源からの動画を見つけやすくするといった取り組みを行なっている。
YouTubeではこれまでも、誤解を招く、または虚偽が含まれる特定の種類のコンテンツで、深刻な危害を及ぼす可能性のある動画は「誤った情報に関するポリシー」に沿って削除してきた。このポリシーを適用するためには、明確な事実関係の把握が必要となる。
例えば新型コロナウイルス感染症の医学的に誤った情報に関するポリシーを適用する際、YouTubeは日本を含む世界の保健機関や地域の公衆衛生機関の専門家の間で広く合意されている内容に準拠している。人間による審査と機械学習を組み合わせて、一貫した基準でポリシーを適用し、ポリシーに違反するコンテンツをできるだけ迅速に削除する。
このような取り組みの結果、誤った治療法やデマなどを含む新型コロナウィルス感染症に関連する動画を、約1年半の間に100万本以上削除した。その他、コミュニティガイドラインの適用で削除したコンテンツに関する透明性レポートを四半期ごとに公開している。
また、動画の中には明確にはコミュニティガイドライン違反とならないものの、際どい形で発信するようなボーダーライン上のコンテンツも存在。YouTube では、視聴者がより信頼できる情報源からの情報を見つけやすくする事にも取り組んでいる。情報の正確性が特に重要な、ニュース、政治、医療、科学情報などのトピックに関しては、信頼できる情報源からの情報を、検索結果やおすすめの動画として優先的に表示するようにしている。
重要なニュースがあった場合は、YouTubeのトップページにニュース速報セクションが表示される。重大なニュースの例は、大規模な惨事、重要な政治的出来事など。
その日のトップニュースに関連するワードを検索した際は、検索結果に「トップニュース セクション」が表示され、報道局のYouTubeチャンネルによるニュース動画が紹介される。
医療/健康に関するトピックを検索した際は、信頼できる情報源が提供する動画を集めた「医療/健康情報セクション」を表示。信頼できる情報源の動画の下部には、「医療/健康情報パネル」が表示される。
YouTube上では、「ほんとかな? があなたを守る」というテーマのキャンペーンを4月25日から実施。ユーザーに向けて、フェイクニュースが自分の日常に潜む問題であると気付くきっかけを作ること、情報との向き合い方について考える機会を提供することを目指す。
若者層に人気の高い9組のYouTubeクリエイターの協力を得て、「フェイクニュースは身近に存在すること」、「ファクトチェックが重要であること」、「安易な拡散が人に迷惑をかけてしまうリスクに繋がりかねないこと」、この3つのメッセージを伝えるショート動画が作成された。23日からは、より多くの人に届くよう、9本のショート動画をまとめた動画をYouTubeの広告なども使って拡散していく。
誤情報・フェイクニュースの問題は複雑で、どの主張が正しいかを判断するための信頼できる情報源がないことも多々あるという。誤情報を恐れるあまり疑わしいコンテンツは全て削除する、というようなアプローチは、「議論を呼ぶ主張は受け入れない」というメッセージにも繋がり、言論の自由を萎縮させるリスクも伴う。YouTubeはこのような視点も持ちつつ、発展を続ける専門的見地を追い求めるほか、継続的な理解を進め、議論を続けていきながら、安心安全に利用できるようにこれからも取り組んでいくとする。