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Google DocsやSheets、SlidesにジェネレーティブAI「Duet AI for Google」

Googleは11日、GmailやDocs、スプレットシートなどのオフィススイート「Google Workspace」にジェネレーティブAI(生成系AI)の機能を追加する「Duet AI」の搭載を発表した。6月から順次拡大していく。

3月には、GmailとGoogle Docsで生成AI機能をテスター向けに公開。AIを活用した文法やスペルチェック、スマート作成、返信などはすでに広く使われているが、より多くの機能にAIを導入していく。Microsoftも「Microsoft 365 Copilot」としてオフィススイートにおける生成AI対応を強化しているが、Google WorkspaceでもAI対応に注力していく。

Duet AIは、GmailとDocsにおける執筆支援に導入されているが、これをGmailモバイルに展開する。モバイル版では、名前などの関連情報を自動入力するなど、文脈の支援を提供していく。

また、Duet AIをGoogle Slidesに組み込み、プロンプトの言葉だけで画像を生成できるようにする。例えば、パリからサファリに誘うキャンペーンを企画したマーケターの場合、クリエイティブ会社との初期の打ち合わせでビジュアル情報を共有する際に、簡単にイメージに近いビジュアルをプロンプトだけで用意できるようにする。

Google SlidesのDuet AI(クリックして再生)

Google Sheetsでは、Duet AIによる分析機能を強化し、Sheets上のデータを迅速に分析し、行動できるような支援を行なう。分類ツール(Classification tools)は、セル内のデータの文脈を理解し、ラベルを割り当てるため、手作業によるデータ入力の負担を軽減する。

Sheetsの新機能で「help me organize」は、タスク、プロジェクト、追跡・管理したい活動のためのカスタムプランを自動的に作成する。例えば、年次営業会議を計画している場合、Sheetsにデータを入力しておけば、「初日のキックオフイベントのセッション概要をまとめて」とプロンプトを入れるだけで、Sheets上で、時間や登壇者、会場、概要などをまとめた表を作成できる。

Google SheetsのDuet AI(クリックして再生)

Google Meetでは、ビデオ通話にユニークな背景を生成する機能を導入。好きなものをマッシュアップしたビジュアルを作ったり、営業担当者が見込み客との通話向けにカスタム背景を作るといった利用を想定しており、ビジュアルは数クリックで作成できるという。

Docsにおける執筆支援も強化。職務経歴書を書く場合、Duet AIによりコンテンツの作成を支援するほか、場所やステータスなどの情報のためのスマートチップや、会社名などのカスタマイズの変数を搭載し、ドキュメント上でコンセプトから完成までを素早く行なえる。

Google SheetsのDuet AI。書きたいトピックを入力するだけで、Docsに下書きが作成され、位置情報やステータスなどの情報もスマートチップで提供される(クリックして再生)

また、文法のニューラルモデルをアップグレードし、英語のほか、スペイン語、フランス語、日本語などの対応を強化。校正、トーン、スタイルなどの機能も追加された。