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ドコモ「つながらない問題」、今夏までに解消へ

NTTドコモは、渋谷や新宿など都市部を中心に混雑エリアで通信速度が低下している問題で、夏までの解消を目指す。

この数カ月、山手線の主要駅など都市部の混雑している時間帯を中心に「ドコモの通信が繋がりにくい、通信速度が出ない」といった指摘がある。ドコモによれば、トラフィック増加により、容量の逼迫が起きているのは事実とする。

エリア構築時には、トラフィックを予測して設計しているが、再開発の影響で基地局撤去が行なわれたほか、人流が変わりトラフィックの傾向が変わるなどの問題が発生しているという。また、屋外局で屋内をカバーしている場所などで、800MHz帯にトラフィックが集中し、繋がりにくくなっているなどの問題もでているという。

ドコモでは、3.7GHzや4.5GHz帯など5G用の新周波数帯を使った「瞬速5G」の整備を進めている最中だが、再開発の影響などで予定通りに進んでいない場所もある。そのため4Gの収容量を圧迫している。

2023年夏までの短期対策として、2点の対策を行なう。まずはカバーエリアの調整で、すでに5Gが入っている局のカバーエリアを増やすことで解消していく。もう一つは周波数帯の分散制御などを行なう。

「5G展開の道半ばの現在、過渡期ならではの問題」(NTTドコモ 引馬章裕ネットワーク部長)としており、長期的には瞬速5Gの整備により解消していく考えだ。今後増加するトラフィックに対しては、瞬速5Gで対応していく。

その上で、安定性や高速大容量、低遅延など、サービスや用途に応じて異なる要求に対しては、ネットワークスライシングを活用して対応していく。'23年度には、5G SA方式の提供箇所を主要駅や商業施設のほか、空港、大学、スタジアムなどに拡大。'24年度にはネットワークスライシングに対応した5G時代ならではの「柔軟なネットワーク」提供を目指す。

なお、今回の繋がらない問題は、渋谷、新宿、池袋、新橋などで発生。東京が多いものの、全国の都市部で発生しており、この数カ月で増えてきているとのこと。2020年以降のahamo導入などに至ったいわゆる「官製値下げ」の設備投資への影響は否定しており、「外部要因によりスタンスや戦略が変わったことは一切ない」と説明。「トラフィックは増加を見越して、瞬速5Gで置き換える計画を作っていたが、基地局を設置する民間ビルの再開発やそのオーナーとの調整、設備を増やすためや電力的な検討などで時間を費やしてしまった」とし、瞬速5Gの導入を進めて解消を図る。