110番映像通報、4月1日から本実施

警察庁は、'22年10月1日から試行運用をしていた「110番映像通報システム」について、4月1日から本実施に移行する。

110番映像通報システムは、通報者が通信指令室に対してスマホ等で撮影した映像を送信するもの。通報者からの110番通報に対して、通信指令室担当者が映像通報の必要性を判断した際、通報者の同意を得て、通報者のスマートフォンにSMSで専用URLを送信する。通報者は留意事項等に同意して、撮影した映像を送信する。

送信された映像は、受理端末でリアルタイムで受信・自動保存される。また原則、取得した日の翌日から起算して7日間経過後に自動消去される。

試行運用状況は、'22年10月1日から'23年2月28日までの間で、映像(動画)が262件、画像(静止画)が383件、保存ファイル(映像)が139件、保存ファイル(画像)が1,509件。通報事案は、保(救)護関係の1,107件(約48%)、各種情報の414件(約18%)、交通関係の374件(約16%)で8割を超える。実施件数上位の県は、神奈川県警察412件、愛知県警察262件、兵庫県警察242件。

効果的活用事例として、「駐車車両からガソリンを窃取しようとした状況を目撃した被害者から被疑者の画像を受理し、検索中に発見し検挙」、「駐車場内において当て逃げされた被害者が撮影していた被疑車両の画像から、被疑者を割り出し検挙」、「行方不明となった児童の画像を母親から受理し、検索中に発見し保護」が挙げられている。

なお、試行運用では通報者が同システムを利用するには、専用URLにアクセスした後、警察職員が教示するアクセスコードを入力する必要があったが、利便性向上の観点から本実施では原則入力不要となる。