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札幌の26階複合ビル、施工不良で竣工2年超延期 大成建設が虚偽報告

NTT都市開発は、札幌市中央区にて開発中の、「ハイアット セントリック 札幌」などが入る26階建て複合ビルについて、'24年2月の竣工を予定していたが、施工会社である大成建設が鉄骨建方等の精度不良を発生させたことから28カ月の工期延伸が必要となり、竣工時期を'26年6月末頃に改めることを発表した。

旧北海道放送(HBC)本社跡地にて「札幌北1西5計画」として進められていた、地上26階、地下2階の複合ビル開発事業。NTT都市開発がハイアット ホテルズ コーポレーションの関連会社とホテル運営委託契約を締結し、1階の一部と17~26階にてホテル施設として「ハイアット セントリック 札幌」が、'24年春に開業する予定だった。ホテル以外のフロアは、オフィス、店舗、広場など。

所在地

事業主はNTT都市開発、施工は大成建設。大成建設によれば、発注者からの鉄骨工事に関する指摘事項に対応するため、同社において鉄骨建方精度を検証したところ、複数箇所において発注者と定めた品質基準を満たさない鉄骨建方およびスラブ厚の精度不良が発覚した。

大成建設は作業所において、鉄骨精度計測値について一部実測値と異なる数値を報告していたという。NTT都市開発も、これまでの各種計測記録の報告に虚偽があったことの報告を受けたと公表している。

NTT都市開発は、事業主として報告内容を検証した結果、建設中の建物が「契約に基づいた品質」および「建築関連法規」を満たさない見込みとなるため再構築をせざるを得ないと判断。現在工事中の地上部分の全ておよび地下部の是正対象部分を撤去したうえで再構築することを決定した。

大成建設では今回の件を受け、寺本剛啓氏(現 取締役・専務執行役員 建築総本部長兼建築本部長)、および平島信一氏(現 常務執行役員 札幌支店長)が辞任する。