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あらゆる製品にAI搭載するマイクロソフト Azureにも「GPT-4」

マイクロソフトは16日、AIに関するメディアブリーフィングを開催した。同社は今後もAIへの取り組みを強化し、あらゆる製品に、製品を一変させるようなAI機能を搭載していくという。

マイクロソフトは、2019年にOpenAIとの中長期的な戦略的パートナーシップを締結。それ以来、大規模投資を続けており、OpenAIのGPT-3/3.5等次世代AIモデルについて独占的ライセンスを保有している。今後も同社はAIを活用した製品開発を継続し、クラウドサービス「Azure OpenAI Service」にも最新の大規模言語モデル「GPT-4」を実装することが決定している。

3月からプレビュー版が公開されている新しいBingについては、「AIを搭載したWebの副操縦士(コパイロット)」と定義。従来の検索結果にリンクが羅列されているだけの検索エンジンとは全く異なるものに生まれ変わったとし、AIを搭載したことで、やりたかったこと、見つけたかった情報をより積極的にまとめて出力することができるという。

新しいBingについては、先行してGPT-4で稼働していたことが明らかになっている。AIの搭載により、検索結果そのものがより安全で信頼性が高いものになったほか、Web上の検索結果を検証し、探している答えを見つけてまとめる要約や比較・検討が可能になった。また、チャットで質問をすることで複雑な検索の手間なく情報が得られ、旅行プランの作成やショッピングの調査なども簡単に行なえる。メールの原稿作成や献立の作成など、創造力を発揮する出力も可能になった。

チャットで「ベジタリアンの6人でディナーパーティを開くためのコースメニュー」について質問したところ

新しいBingは、さまざまな方法で利用が可能になる予定。Windows 11では、検索ボックスからダイレクトに新しいBingを呼び出して使うことができるようになる。

モバイルアプリとしてはBing単体のアプリが用意されるほか、Skypeにも実装。友人とのチャットの最中にBingを呼び出しが可能で、チャットの流れの中で回答を得られ、友人と内容を共有できる。

EdgeにはBing専用機能を搭載。チャットで直接質問ができるほか、メールやブログの投稿記事などコンテンツ作成用のインターフェイスを用意。文章のトーンをプロフェッショナルやカジュアル、熱狂的などから選べたり、文章の長さも選択できる。

新しいBingは、マイクロソフト独自のテクノロジー「Prometheus(プロメテウス)」によって実現したもの。これによりBingが元々持っていたWeb情報と検索アルゴリズムと、OpenAIによる最新のGPTモデルを連携させている。GPTモデルだけでは学習範囲が限定的で、また2021年9月以降のデータは使われていないが、Bingが取得している情報と連携させることでより幅広い活用が可能になった。これにより、たとえば「今日のWBCのMVPは誰だと思う?」など、タイムリーな検索も可能になっている。

プレビュー版のフィードバックとしては、現在のところ、71%のユーザーが検索結果に満足しているという。プレビュー登録者は100万人以上で、そのうち日本の登録者は10万人以上としている。しかし、日本からのチャット質問は200万以上で、1人あたりの検索数は日本がトップになっている。

また、新しいBingで検索するだけでポイントがたまる「Microsoft Rewards」もスタート。Microsoftアカウントにサインインし、Bingで検索すると、1回検索ごとにポイントがたまる。Edgeを使うことでさらにボーナスのチャンスがある。検索を使ったクイズやアクティビティに参加することでもポイントが貯まる。ポイントはAmaoznギフト券等に交換可能。

新しいBingに参加するには、Webサイトから順番待ちリストに参加する必要がある。マイクロソフトでは、Bingはまだまだ成長途上であるとし、「沢山のユーザーに参加してもらってフィードバックをいただきたい」としている。