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KDDIら、サーバーを"液体浸け"で冷やすデータセンター 冷却電力94%削減

液浸データセンター全景

KDDI、三菱重工業、NECネッツエスアイは、液体でIT機器を冷却する液浸冷却装置の大規模構成での利用を想定した実証実験を行ない、冷却設備におけるティア4 レベルでの安定稼働に成功した。従来型のデータセンターと比較し、サーバー冷却のために消費される電力を94%削減した。

クラウドサービスやデータセンター需要が増加するなか、サーバーが発する熱を高効率の冷却装置で冷却することで消費電力量を抑制するのを目的として開発されたもの。2022年4月1日からKDDI小山NCで100kVA相当のサーバーなどのIT機器と液浸冷却装置をデータセンター内に収容し、試験運用する実証を実施した。

液浸冷却装置
フリークーリング装置
サーバーを冷却液に浸けて冷却

実証では、最適化された外気空冷を行なうフリークーリング装置を含む液浸システムを開発し、データセンターでの実装を想定した排熱処理能力の向上と省電力化を実施。サーバー冷却のために消費される電力の94%削減とPUE値(データセンターの電力使用効率を示す値)1.05を実現した。

液浸冷却装置およびフリークーリング装置に高い可用性を持たせ、ティア4レベルの液浸データセンターでの実装設計を具現化。安定稼働の成立性を立証した。また、IT機器が発する騒音は空冷方式に比べて約35dBの低減を実現している。国内での商用利用を見据え、保守体制の検討、保守マニュアルの整備も含めた実践的な運用も行なっている。

3社は、大規模データセンターからコンテナ型データセンターまで幅広い活用を想定し、2023年度中に液浸データセンターの提供を開始する。