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防災アプリに「垂直測位サービス」 災害時“何階にいたか”分かる

ゼネテックは、災害時に位置情報を共有する防災アプリに、何階にいたかが分かる“垂直測位サービス”を組み合わせた実証実験を開始する。

ゼネテックは、災害時に家族や友人に向けて自分の居場所を自動で通知する災害時位置情報共有アプリ「ココダヨ」を提供している。MetComは、広域で高精度な三次元位置情報を提供する垂直測位サービス「Pinnacle」(ピナクル)を提供中。

今回の協業と実証実験では、アプリ「ココダヨ」にPinnacleを実装することで、災害時に通知する位置情報に今いる階数などの高さを加えた、三次元の位置情報を通知する機能を開発する。実証実験は4月からPinnacleのサービス提供エリアで開始し、2023年中の実装を目指す。Pinnacleが防災アプリに導入されるのは初めて。

高さの情報を通知できることで、災害時の危険性や避難の必要性の正確な判断や、要救助者のフロアの把握や迅速な発見につながるとする。また津波や洪水に対しては、安全な高さにいるか、必要な時間で安全な高さに避難できるかといった、垂直避難判定にも役立てられるとしている。

ココダヨの機能

ココダヨの特徴は、緊急地震速報に連動して、災害発生直前の位置情報の指定したメンバーに自動通知するという内容。事前に登録したメンバー同士で、誰かが危険な場所にいるかどうか共有する機能も搭載されている。

Pinnacleは、一般的なスマートフォンに搭載されている気圧センサーを活用し、2~3mの精度で高さを特定するサービス。GPSの位置情報を組み合わせて、三次元位置情報として提供する。Pinnacleのサービス提供エリア内であれば、測定に建物内のセンサーは不要。米国の緊急通報実地試験でFCC(連邦通信委員会)の基準を唯一クリアしたNextNavの特許技術を、MetComがライセンスを受けて展開している。2022年末に関東・関西でサービスを開始しており、2023年は東名阪や政令指定都市にサービスエリアを拡大する計画。

垂直測位サービス「Pinnacle」

米国では2022年4月から、スマートフォンからの緊急通報について、通報者の垂直情報を追加した位置情報の三次元化が義務化されている。ゼネテックでは、今後は日本でも要救助者の三次元位置情報を取得する需要や必要性が高まると見込み、防災アプリにいち早く取り入れたとしている。