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新たな渋谷のランドマーク「サクラステージ」誕生
2023年2月9日 19:48
スタートアップや外資系ビジネスパーソンを呼び込む
新施設は「渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業」として進められていたもので、オフィス、商業施設、住宅、サービスアパートメントなどを備える。
複数のビルで構成され、そのうち最大の建物は39階建の「SHIBUYAタワー」で、上層部にオフィス、低層部に商業施設などが入る。隣には低層部を共有する17階建ての「セントラルビル」が建ち、上層部はオフィスとなる。これら2つを「SHIBUYAサイド」と呼ぶ。
一方、都市計画道路(補助線街路第18号線)を挟んで「SAKURAサイド」を設ける。上層部が住宅、低層部がオフィスとサービスアパートメントとなる「SAKURAタワー」(30階建)と、「SAKURAテラス」からなる。
オフィス部分は、大企業からスタートアップ企業までフレキシブルに入居できる施設とする。SHIBUYAタワーの最上階にはスタートアップ企業の発表会などを開催できるバンケットルームや、商談のためのプライベートルームを設け、起業支援施設の役割も果たす。7階には会員制シェアオフィス「Business-Airport」が入居する。
商業施設は地権者の店舗も多く取り入れ、再開発前の同地区が持っていた雑多性、独自の文化を生かしたものになるという。商業施設にはイベントスペースも設ける。
施設の国際競争力向上にも注力し、外資系のビジネスパーソンに対応したサービスアパートメントの「ハイアット ハウス」が首都圏初進出となる。加えてインターナショナルスクールや国際医療施設なども設ける。海外から短期で訪れるスタッフの利用も想定している。
住宅部分は東急不動産の分譲マンション「BRANZ渋谷桜丘」で、戸数は155戸。発売時期や価格は未定となっている。
説明会では建設中のSHIBUYAタワー37階に昇れるツアーがあった。オフィスとなるこのフロアの窓からは渋谷の街も一望でき、スクランブル交差点を上から眺められる好立地となっている。
分断を解消し回遊性を高める
渋谷桜丘町地区は、国道246号やJR線により、東西、南北方向とも分断されていた上、地形の高低差も大きく駅と周辺を繋ぐ歩行者ネットワークに弱さがあった。
そこでJR線の駅舎整備に協力することで新改札口を設けるほか、国道246号を横断する歩道デッキと繋がることに加えて、新設の地下通路により歩行者の回遊性を高める。また、縦軸の動線となる「アーバン・コア」を整備し、地下や周辺地区と行き来しやすくした。いずれもバリアフリーに対応したものとなる。
Shibuya Sakura Stageの周辺には東急グループが関与している渋谷ヒカリエ、渋谷ストリーム、渋谷フクラス、渋谷スクランブルスクエアという大型施設があり、これらとあわせて渋谷全体の魅力を向上させるとしている。渋谷ストリームやフクラスとは歩行デッキで接続される。
開発面積は2.6ha。地権者は120名で、構想から25年のプロジェクトだという。
新たな渋谷の玄関口に
東急不動産 代表取締役社長の岡田正志氏は、「2019年の渋谷フクラス以来となる渋谷の発展を体現するもので、他に類を見ない取り組みだったと自負している。渋谷駅中心部の基盤を完成し、桜丘を渋谷の新たな玄関口にすることで、利便性を高める」と話した。
プロジェクトの電力として再生可能エネルギーを導入するほか、6,000m2の緑化空間を設けてヒートアイランド現象の緩和も図る。
さらに防災拠点としての機能も持たせる。約2,900人の一時滞在ができるスペースを有するほか、同人数に3日分の災害備蓄品を提供できる倉庫を完備する。災害時にはデジタルサイネージで各種の情報を発信することを計画している。