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新たな渋谷のランドマーク「サクラステージ」誕生

SHIBUYAタワー(中央)、左隣に渋谷ストリーム、左端に渋谷スクランブルスクエア、右端に渋谷フクラス

東急不動産は、渋谷駅に隣接する新複合施設の名称を「Shibuya Sakura Stage」に決定した。11月30日に竣工し、順次開業する。2024年夏に全面開業し、まちびらきのイベントを実施する。

SHIBUYAタワー
中央の緑の建物がSAKURAテラス、その奥がSAKURAタワー。左はSHIBUYAタワー

スタートアップや外資系ビジネスパーソンを呼び込む

新施設は「渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業」として進められていたもので、オフィス、商業施設、住宅、サービスアパートメントなどを備える。

渋谷の新しいランドマークと位置付ける
建物の模型

複数のビルで構成され、そのうち最大の建物は39階建の「SHIBUYAタワー」で、上層部にオフィス、低層部に商業施設などが入る。隣には低層部を共有する17階建ての「セントラルビル」が建ち、上層部はオフィスとなる。これら2つを「SHIBUYAサイド」と呼ぶ。

一方、都市計画道路(補助線街路第18号線)を挟んで「SAKURAサイド」を設ける。上層部が住宅、低層部がオフィスとサービスアパートメントとなる「SAKURAタワー」(30階建)と、「SAKURAテラス」からなる。

プロジェクト地区平面図
建物概要

オフィス部分は、大企業からスタートアップ企業までフレキシブルに入居できる施設とする。SHIBUYAタワーの最上階にはスタートアップ企業の発表会などを開催できるバンケットルームや、商談のためのプライベートルームを設け、起業支援施設の役割も果たす。7階には会員制シェアオフィス「Business-Airport」が入居する。

オフィス共有部のイメージ
ソフト面の強化で競争力を高めるという

商業施設は地権者の店舗も多く取り入れ、再開発前の同地区が持っていた雑多性、独自の文化を生かしたものになるという。商業施設にはイベントスペースも設ける。

商業施設は毎日異なる空間を演出する

施設の国際競争力向上にも注力し、外資系のビジネスパーソンに対応したサービスアパートメントの「ハイアット ハウス」が首都圏初進出となる。加えてインターナショナルスクールや国際医療施設なども設ける。海外から短期で訪れるスタッフの利用も想定している。

サービスアパートメントには屋内プールもある
多言語対応の医療施設も

住宅部分は東急不動産の分譲マンション「BRANZ渋谷桜丘」で、戸数は155戸。発売時期や価格は未定となっている。

住居部分のイメージ

説明会では建設中のSHIBUYAタワー37階に昇れるツアーがあった。オフィスとなるこのフロアの窓からは渋谷の街も一望でき、スクランブル交差点を上から眺められる好立地となっている。

SHIBUYAタワー地上階の一部
37階フロアの様子
スクランブル交差点方面。左手前が渋谷フクラス、右が渋谷スクランブルスクエア
東京スカイツリー、東京ミッドタウン、虎ノ門ヒルズ方面。左手前は渋谷スクランブルスクエア、その奥は渋谷ヒカリエ。右手前は渋谷ストリーム
渋谷フクラス、渋谷マークシティ方面
目黒方面。建設中の中央のビルがSAKURAタワー
セルリアンタワー方面
東京タワー、六本木ヒルズ、麻布台ヒルズ方面。左手前は渋谷ストリーム

分断を解消し回遊性を高める

渋谷桜丘町地区は、国道246号やJR線により、東西、南北方向とも分断されていた上、地形の高低差も大きく駅と周辺を繋ぐ歩行者ネットワークに弱さがあった。

開発地区は道路と線路で分断されていた
開発前の街並み

そこでJR線の駅舎整備に協力することで新改札口を設けるほか、国道246号を横断する歩道デッキと繋がることに加えて、新設の地下通路により歩行者の回遊性を高める。また、縦軸の動線となる「アーバン・コア」を整備し、地下や周辺地区と行き来しやすくした。いずれもバリアフリーに対応したものとなる。

分断の解消の施策
高低差の解消も図った
JR渋谷駅の新改札口とSHIBUYAサイドを結ぶ「(仮称)北自由通路」
国道246号を横断する渋谷駅西口歩道橋デッキ
周辺地区と連携した縦軸動線「アーバン・コア」
補助線街路第18号線横断のための歩行者デッキ

Shibuya Sakura Stageの周辺には東急グループが関与している渋谷ヒカリエ、渋谷ストリーム、渋谷フクラス、渋谷スクランブルスクエアという大型施設があり、これらとあわせて渋谷全体の魅力を向上させるとしている。渋谷ストリームやフクラスとは歩行デッキで接続される。

渋谷駅周辺では大きな再開発が行なわれている

開発面積は2.6ha。地権者は120名で、構想から25年のプロジェクトだという。

東急グループでは、渋谷駅の半径2.5kmを「広域渋谷圏」として都市開発の重要拠点と位置付けている

新たな渋谷の玄関口に

東急不動産 代表取締役社長の岡田正志氏は、「2019年の渋谷フクラス以来となる渋谷の発展を体現するもので、他に類を見ない取り組みだったと自負している。渋谷駅中心部の基盤を完成し、桜丘を渋谷の新たな玄関口にすることで、利便性を高める」と話した。

東急不動産 代表取締役社長 岡田正志氏

プロジェクトの電力として再生可能エネルギーを導入するほか、6,000m2の緑化空間を設けてヒートアイランド現象の緩和も図る。

環境負荷低減への取り組み

さらに防災拠点としての機能も持たせる。約2,900人の一時滞在ができるスペースを有するほか、同人数に3日分の災害備蓄品を提供できる倉庫を完備する。災害時にはデジタルサイネージで各種の情報を発信することを計画している。